第一章
[2]次話
甦れ東北
宮城県といえばやはり仙台というイメージがあるだろうか。
この街は森の都と呼ばれ青葉城と伊達政宗が象徴だ、だが今この街に。
赤杢ぎばさ人呼んで渚の妖精ぎばさちゃんはいてだ、パートナーになっている神話生物の方のぎばさに言った。
「仙台もかなりね」
「ええ、そうね」
神話生物はぎばさにかなり不気味な声で応えた、声も姿も不気味だが実はぎばさと同じ位人気がある。不気味さがかえって受けているのだ。
「復興してね」
「傷が癒えたわね」
「いいことよ」
「福島も」
ここでまた言った神話生物だった。
「何とかね」
「復興してきて」
「あれだけの地震だったし」
「どうなるかって思ったけれど」
「それがね」
「この通りね」
ようやくと、とだ。神話生物が応えた。
「復興して」
「元の生活に戻っているかしら、いえ」
ぎばさはここで言った。
「そう思うにはね」
「まだ早いわ」
「そうよね。復興したかどうかは」
「まずは人の顔を見ることよ」
神話生物もぎばさに話した。
「人の顔が明るくて余裕があったら」
「そうだとしらね」
「復興が出来ているわ」
「そうよね、本当にあの時は」
震災が起こった時のことを思い出してだ、ぎばさは暗い顔になった。
「皆家族やお家を失って」
「何もかもがなくなって」
「暗くてね」
「大変な顔だったわ」
そうだったとだ、神話生物はまた言った。
「本当に」
「そうだったわね」
「そして今はどうか」
「皆どんな顔でいるのか」
「それを見ればわかるわ」
「そうよね、じゃあ」
それならとだ、ぎばさは神話生物に応えてだった。
仙台の人達の顔を見た、すると。
まだ暗いものは残っている、だがそれでもだった。
「かなりね」
「明るくなったわね」
「ええ、余裕もね」
それもというのだ。
「出てきて」
「いい感じになってるわね」
「ええ」
ぎばさは神話生物に応えた。
「そうなったわね」
「大変な状況だったけれど」
「東北全体がね」
震災が起こった東側、あの時のことはぎばさにとっても神話生物にとっても忘れられない。まさに絶望しかなかった。
だがそれから数年経ってだ、今は。
「何とかね」
「余裕が出て来たわね」
「復興がね」
「表情にも出てきて」
「よかったわ」
「そうね」
二人で話した、いい笑顔になっているとだ。
それで二人共自然と笑顔になりかけた、しかし神話生物はここで思いなおしてそのうえでこう言った。
「もう一つ見ましょう」
「そうね、あの地震はね」
「海で起こって」
そうしてというのだ。
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