08.イベントに盛り上がる者達の観察日記(?)
HAPPY HALLOWEEN!!
琴葉と涼花のDEADレース! D
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「涼花ちゃ………」
琴葉お姉ちゃんの声が其処で途切れる。
不安になって琴葉お姉ちゃんの方を見ると、此方に手を伸ばしたまま床に倒れている。
「琴葉お姉ちゃん!」
濁った声が出る。ガスマスク越しに琴葉お姉ちゃん辛そうな顔が見える。
嫌だ、死んじゃうの?
「早く出ないと……!」
辺りを見回すと、近くの壁に灰色のボタンが出来ている事に気付く。琴葉お姉ちゃんが見付けてくれたんだ……
走って行って其れを押すと、隣の壁が開き、其の奥にまた廊下が続いている事が見える。
直ぐにガスマスクを外し、琴葉お姉ちゃんの元に駆け寄る。そして、肩を揺さぶる。
「琴葉お姉ちゃん、琴葉お姉ちゃん……!!」
強くやっても起きない…………ううっ、如何為よう………!!
「琴葉お姉ちゃん、起きてよぅ!!」
「……………………ん、あぁ? ……うむぅ………もう、後三十……否、二十で良いからぁ…………あ」
………………………………今、何て?
「あ、やば……今完全に寝言言った………ぷふっ」
「"ぷふっ"じゃないよ、琴葉お姉ちゃんの馬鹿ああ!!」
「ご、ごめんて」
私が必死にやってたのに、琴葉お姉ちゃんは寝てたなんて!
「私は大丈夫だから、先に進もう?」
「当たり前!」
そして、私は琴葉お姉ちゃんを引っ張り起こして、扉の方へ歩いて行った。
◇◆◇◆◇
「ねえ、もう結構歩いたんじゃ無い?」
「うーむ………もう最終ステージなんじゃ無い? 次が」
「えー………」
でも確かにそんな気も…………
―――ドスッ
鈍い音。此れは何度も聞いたことがある。
「……………………ぐはっ」
刃物で人体を刺したときの音。
「…………げほっ……うッ…………りょーかちゃ…………逃げ……」
琴葉お姉ちゃんが血が滴る刃物を背中から抜き、其れを構える。漆黒の直剣。
口から流れる血を袖で拭く琴葉お姉ちゃんは、ふらつきながらも歩き始める。
「敵は……げほっ、私ののうりょ………く。此の剣は…………げほっ、ごほっ…………う"ぅ……能力を無効化するらしいね」
肩で大きく息をしながら琴葉お姉ちゃんは言う。顔は真っ青になっており、明らかに辛そうだ。
「涼花ちゃんは下がってて。剣が当たったら危ないでしょう?」
「そんな事言っても………!! 琴葉お姉ちゃん、一旦こっちに……」
すると、次の瞬間。
―――ガァァァン!!
「…………ッ!?」
耳を劈く様な音が廊下中に響き渡った。
「…………わぁぁ、痺れる。最高………」
ニヤリと不気味な笑みを浮かべた琴葉お姉ちゃんは、自分
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