暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
「いってきます」〜Happy day〜
[1/8]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
†††Sideルシリオン†††
私に差し出されたフェイトの左手。その小指に輝くのは私が贈った指環だ。フェイトの想いには前々から気付いていた。これでも心から愛した女性が2人もいるのだから。
(どうする? フェイトはもう引き下がらない。こんな私に好意を持った少女。優しく綺麗な少女。さっき聞かされた言葉から、フェイトの想いは同情ではないのは解る)
だからと言ってその左手を取っていいのか? 私にそんな資格があるのか? この優しい少女を苦しませることになるんじゃないか? 判らない。どうすればいいんだ。苦しむのは、十字架を背負うのは、私独りで十分なんじゃないか? なのに、何でこんなに苦しいんだ? フェイトの想いを拒絶しようとすればするほど心が軋んでいく。
(私は・・・私も、フェイトが好き、なのか・・・?)
違う。そんなことがあってはならない。その想いは捨てろ。彼女を傷付けるな。その手を取るな。取れば彼女は不幸になる。護りたいなら彼女の想いを否定しろ、拒絶しろ。それが一番の答えだ。答えは出た。だというのに・・・。
(フェイト・・・)
私の目に映るフェイトから視線を逸らせられない。何故だ? 解が出たのに。それを口に出せず、まだ答えを模索してしまう。ふと、かつて見た都合のいい夢を思い出す。シェフィ達とグラズヘイム城の庭園で再会した夢だ。シェフィは言っていた。私の幸せをいつまでも願っている、と。我ながら都合のいい夢だと当時は思って自己嫌悪していたな・・・。
(・・・なぁ、シェフィ。リエラ。私は・・・この手を取っていいのだろうか・・・? 彼女の想いに応じてもいいのだろうか・・・?)
両拳を握りしめる。正直怖いんだ。声を出す。震えているのが判る。この世界に来てから、これほどの恐怖は無かった。
「フェイト。後悔しないのか?」
「絶対しない」
「私が残る方法、対人契約の事は聴いているな?」
「聴いた」
「いいのか? 後戻り出来ないぞ」
「絶対大丈夫」
「きっと辛い事が待っているぞ」
「絶対そんなこと無い」
「絶対なんてものは無い。無いんだ、フェイト」
「私の絶対は絶対。だから問題ないよ」
「・・・まったく」
フェイトの言葉に救われた気がした。心が軽くなるような、濃い靄が晴れていくような、そんな感じだ。シェフィ、リエラ。私は、フェイトの手を取るよ。
――あなたの幸せを、私たちは願い続ける――
最後にまた2人の声が聞こえたような気がした。やはり都合のいい言葉だ。だが、それが私の一歩を助けてくれた。
(ありがとう)
フェイトの左手を取って、指環に口づけする。そしてフェイトの顔を見ると、フェイトは顔を真っ赤にしてオロオロし始める。あ、これって間接
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ