機動戦士ガンダム
2210話
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い。
実際、俺の手には何らかの仕掛けがある訳でもないので、幾ら調べても意味はないのだが。
「何もない」
「そうか。なら念の為にもう1人……チャーリーだったか? お前も調べてみてくれ」
その言葉に、痩せていてソバカスのある男の子が、アルと代わるようにして俺を調べる。
だが、チャーリーも結局俺の仕掛けを見破る事は出来ず、残念そうにしながら元の場所に戻っていく。
「さて、じゃあこうして2人が調べてたんだし、これで何の種も仕掛けもないというのは理解して貰えたな? そんな訳で……手品をやるんだし、やっぱりここはこう言うべきか。種も仕掛けもございませんってな。けど……」
そう言い、俺は右手の掌を子供達に向け……次の瞬間、その右手にはハンバーガーが1個、いつの間にか存在していた。
いやまぁ、いつの間にかって言うか……実際には空間倉庫から取り出しただけなんだが。
子供達の側で俺の手品を見ていたセイラは、呆れの視線をこちらに向ける。
空間倉庫の事を知っているセイラにしてみれば、俺がどうやってハンバーガーを取り出したのか、当然のように理解していたのだろう。
もっとも、それはあくまでも空間倉庫を知っているセイラだからこその事であって、何も知らない子供達にしてみれば、俺がやった事は手品以外の何物でもない。
「うわっ! え? あれ? 一体どうやったの!?」
「いつの間にか、ハンバーガーを持ってる!」
そんな風に聞こえてくる子供達の声に、俺は先程のアルという子供にハンバーガーを渡すと、再び何もない場所からハンバーガーを取り出す。
当然のように、再度驚きの声を上げる子供達。
それを繰り返し、最終的には全員にハンバーガーを配る。
このハンバーガーは……どこで買った奴なのかは忘れたけど、こうして空間倉庫の中に保存してあったという事は、間違いなく俺が美味いと判断したから、そうしたのだろう。
そして、実際に子供達は俺の取り出したハンバーガーを食べては、美味いと喜びの声を上げていた。
もっとも、このUC世界ではハンバーガーとかは普通に存在している。
だからこそ、ハンバーガーを見ただけで驚くといった事はしなかったが、小学生にとってはハンバーガーというのはそれなりに高価なおやつであるのも間違いない。
それを無料で貰えたのだから、子供達が喜ぶのも当然なのだろう。
わーわー、きゃーきゃー言いながら騒ぎながらハンバーガーを食べている子供達を見ながら、俺はセイラにもハンバーガーを渡す。
それを受け取りつつも、セイラは呆れた視線を俺に向けてきた。
「子供達の夢を壊すのは、あまりよくないわよ」
「別に夢を壊したりはしてないと思うが? 実際に、種も仕掛けもないんだし」
「……そうね。空間倉庫という種は
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