機動戦士ガンダム
2210話
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の身体能力を思えば、可能な限り……本当に出来るだけ手加減をする必要があった。
とはいえ、サイド6に来たのはセイラの気分転換も含めての事だ。
当然だが、セイラの為に来たのだから、そのセイラが遊びたいと言っている以上、俺がそれを断るつもりはない。
「決まりね。……ね、何して遊ぶの? お姉ちゃんとお兄ちゃんにも教えてくれない?」
子供にそう尋ねるセイラの姿は、ルナ・ジオンの女王でもなく、俺が知ってるセイラでもなく、初めて見るセイラの姿だった。
セイラにもこういう言葉遣いとか、出来たんだな。
「サッカー! ほら、お姉ちゃんとお兄ちゃん、2人とも来てよ。……おーい、アル! このお姉ちゃん達もサッカーをやるって!」
アルと呼ばれた子供は少しだけ俺とセイラの方を見ていたが、やがて分かった! と大声で叫ぶ。
少し気が強そうに見えるが、何か特別なものを感じるようなこともないような、普通の子供。
そんな子供に誘われ、俺とセイラはサッカーをする。
……ちなみに、セイラは何気に運動神経が良いらしく、子供達に混ざってもかなり優勢にボールを確保していた。
俺は出来るだけ本気を出さないようにし、お互いのチームの戦力が均等になるようにしながら、試合を続け……やがて三十分程で試合が終わると、結果としては引き分けとなる。
「はぁ、はぁ、はぁ……姉ちゃん強いな!」
サッカーをやっていた子供の1人が、セイラに向けて感嘆の言葉を告げる。
だが、セイラに感嘆の言葉を告げた後は、俺に向かって呆れたように言葉を掛けてきた。
「それに比べると、兄ちゃんはだらしないなぁ。姉ちゃんみたいに活躍できなかったし」
「ぷっ」
そんな子供言葉を聞いていたセイラが、面白そうに笑う。
当然のように、セイラは俺が本気を出していないというのは分かっていたのだが、それでも俺が子供に対してそのように言われるというのは、予想外だったのだろう。
そこまで笑うような事はないと思うんだけどな。
「あー、悪いな。そうだな。なら、謝罪代わりに手品を見せよう」
「手品?」
手品という言葉が興味を引いたのか、俺とセイラに声を掛けていた子供だけではなく、他の子供達も俺の周りに集まってくる。
俺が思っていた以上に、手品という言葉が子供達には興味深かったのだろう。
「いいか? 俺は何も持ってないだろ? あー……そこ、アルだったか。ちょっと俺の手を調べてみてくれ」
「え? ……うん、分かった」
他の子供達からアルと呼ばれた子供は、俺の方に近づいてきて、手や服に何の仕掛けもしていない事を確認する。
じっくりと、本当に何もないのかといった様子で確認していたアルだったが、当然のようにそこには何らかの仕掛けがあるようには思えな
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