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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第12話 些細な衝突
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だからこそ、ため息しか出なかった。
一つ補足しておくならば、エースは好き嫌いこそすれど、決して目の前のフォーティスのことを弱いと思っているわけではない。むしろ模擬戦闘の際に一番てこずった相手であり、そこから実力をつけていることも知っている。
エースが問題としているのは、むしろメンタル面の方だ。彼に限った話ではないが、その強さをある程度人に頼られるようになると、天狗になるような人もいる。そうなると、自分の強さを過信して余計なリスクまで取ってしまう。
それこそが、エースの一番避けたいことだった。リスクは、避けられるならば避ける方が安全である。
「危険だから出ないっていうのは、リスク回避のための策だ。なのにリスクをとってどうするんだよ」
「あ? 指図とはいい度胸じゃねぇかおい。こそこそやってる奴の前に、お前から叩き潰してやろうか」
「そういう話じゃねぇよ。なんで取らなくていいリスクを取ろうとすんのかって話だよ」
完全に喧嘩モードに入る2人の言い合い。ヒートアップしていくその様からは、説得という本来の目的が薄れつつあった。
「ちょっと、2人とも……」
そんな2人をどうにか宥めようとするフローラだったが、互いに目の前の相手しか見えていない状態。間に入りこむための切り口が見つからず、どうしようもない様子だった。
「何をしてるんです?」
そこに現れたのは、別の男子生徒。エースは知らなかったその姿に、フォーティスとフローラには見覚えがあったようだ。
「あ、エアードくん」
「おはようございます、スプリンコートさん。で、どうしたんですか、これ」
現れたばかりで事情の分からないエアードに対してフローラが差し支えない程度の内容を話す。
相手の方はそれを聞いて一応理解したようで、話にすぐさま加わった。
「えーと……親の意向って、無視してはいけないものですよね、フォーティスくん」
「お前までそう言うのかよ。俺が強いのは知ってんだろ。現に模擬戦では最近負けなしだぞ。守ればそれでいいじゃねぇか」
「まぁ、極論はそうですね。君はそれが出来るほどには強いです」
自分の強さを認められたためか、まるで自分が優勢であるかのような態度をとるフォーティス。その姿にエースは心の中で分かりやすい、と率直に思った。もちろん口に出すと話がこじれるので、出しはしない。
「ですが、それとフローラさんを連れていけるかどうかは別問題です。君がもしフローラさんと彼女だったとして、相手が嫌がるのにデートに連れていきますか?」
「行くわけねぇだろ。つか、それとこれは別問題だろうが。嘘の可能性はどうすんだよ」
フォーティスから飛ぶ、鋭いツッコミと判断。さらに補足しておく
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