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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第12話 些細な衝突
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の基準に照らし合わせるならば命の方を取るのが当たり前だ。
「じゃあ、言ってくるね」
「上手くいくといいな」
そう言って、エースはフローラを送り出した。事情が事情なだけに、相手も分かってくれるだろうと、信じていた。
その結果、どうなったか。
「ダメだったっぽいな……」
再び困った顔をして戻ってきたフローラの顔を見て、エースはその結末を想像した。
大方、「自分が守ります」などという言葉を言って引き下がらなかったのだろう。過信とまでは言わないが、『もしも』が持つリスクと比べることが出来ていないであろう相手に、エースはため息しか出なかった。
「どうだった?」
「えーとね……自分が守るから大丈夫だ、心配しないで、って」
「やっぱりか……」
「フォンバレンくん、説得に協力してくれないかな?」
フローラからの頼み事。その答えとして残されていたのは、すべてイエスの意味になるものだった。過程がどうであれ守り抜けなければ失敗なのだから、リスクは可能な限り背負うべきではない。
しかし、親の意向を無視する相手の説得だ。自分が出たところでどうにかなると、エースは全く思えなかった。
「分かった。出来る限りはしてみるが、あんまり期待しないでくれ」
「うん、お願い」
ただ、困った顔を見せられれば断れないのがエースの性格。本陣に赴くべく、フローラと共にフローラのクラスへと向かった。
その教室に入った瞬間、猛烈な敵意を向けられたことにエースは簡単に気づいた。
「……お前だったか」
「こっちのセリフだ、いちいちしゃしゃり出てくんな人型カス」
その男子生徒──フォーティス・ヴァニタとは、エースは一戦交えたことがあった。それもエースが双子だと判明した直後のトラブル解消のための模擬戦闘であり、エースはともかく、相手からのイメージは悪い。
「まぁ人型であるにはあるけどな。で、親の意向を無視して娘を連れてくとかいう無謀なことをやろうとしてるのか」
「テメェにゃ関係ないだろ」
「確かにないな。でも説得頼まれたんで、やることはやっとくよ」
『売り言葉に買い言葉』という近い状態のエースとフォーティスのやりとりに、フローラがハラハラしている様子がエースの視界の端に映る。
しかしそれを考慮することは一切なく、エースは言葉を続けた。
「一応聞いておく。スプリンコートさんの親の意向を無視して娘を依頼に同行させたとして、その帰りに最近噂の襲撃に出会ったらどうするつもりだったんだよ」
「決まってんだろ。叩き潰すんだよ。こそこそ隠れて襲撃しか出来ないような相手の実力なんざ、たかが知れてる」
予想の範疇を出ない展開
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