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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第12話 些細な衝突
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」
無気力状態でまだ宙を見つめているエースをよそに、ミストが教室から出ていく。気配だけを少し追った後は、心の中で何をするか考えていた。
「フォンバレンくん、今いい?」
そんなエースのいる教室の中に、少々慌て気味のフローラがやってきた。何かあったことはフローラの態度を見れば分かるが、エースたちの教室とフローラの教室は互いに見えない位置にあるため、直に確認することは出来ない。
そのため、事実を確認するには必ずフローラに聞くこととなる。
「どうかしたのか?」
「ちょっとだけ、助けてほしいの」
「……分かった」
色々と省かれた答えであったため少々困惑が混じった解答にはなったが、肯定の意味であることには変わりない。エースは座ったばかりの椅子から腰を上げると、教室の外へと出た。
先ほど別れたばかりなのにも関わらずこうして来る、ということはハプニングの類いでもあったのだろうか。
そう考えながら少し歩いていると、急にフローラが立ち止まった。
「ここなら、セレシアにも聞かれないよね?」
そういうフローラの声のボリュームが小さいところを見ると、どうやら依頼のことが少し絡んだらしい。自分に判断を仰ぎたい、ということだろう。
「聞かれないと思う。で、どうした?」
「クラスの子に『一緒に依頼に行かないか』って誘われたの。でも今、私は保護してもらってる身だから、行けないでしょ? どうやったらそのことに触れずに断れるかな、って」
「……難しいな。でも俺にしか聞けないよな。ミストいないから」
フローラの話を簡単にすると、依頼もなく体調もいい今の状態では断る理由が考えられずに困った、ということらしい。先約があるか、体調不良でない限り基本的に依頼の同行を断ったりしない彼女ならではの困りごとではある。
ちなみにフローラはケガに関する回復魔法はスペシャリストの域であるが、病気に関する回復魔法は今まだ学びの身。上手くはまだ治せないらしい。
なら仮病を使えよ、と少し思ったが、嘘をつくことをフローラが好まないこともエースは知っているため、それは最終案。他に何かないか、と考え、あることが思いつく。
「なら、最近の生徒が襲われた、ってのをネタにすればいいんじゃないか? 依頼に関しては触れられなくとも、親の意向っていうのは触れても問題ないと思うんだけど」
「あ、そっか。それなら嘘ついたことにならないもんね。少し申し訳ないけど」
「まぁ、それは確かに」
フローラを依頼に同行させたい男子生徒の心情は、エースも何となく分かる。エースとて年頃の男子であり、枯れているわけでもない。
だが、それとこれとは別問題。命と欲を天秤にかけた時、エース
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