暁 〜小説投稿サイト〜
ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第12話 些細な衝突
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れもなんか残念だなー。フローラ、そういうとこだけ意気地なしだもんね」

「ど、どうしてそうなるの……?」

 セレシアの言葉を聞いて、今度はわけが分からず困惑するフローラ。エースの見立てでもいつもより当たりが強いように思えるのは、気のせいなのか、それとも別の何かがあるのか。

 いずれにせよ、発言者にしか分からない発言ではある。そんなことをエースが思っていると、何故か話題が飛び火してきた。

「フォンバレンくんそういうとこ疎そうだし、ちょっと踏み出すくらいのことなら無自覚でしてくれると思ったんだけどなー。まぁ、相手が相手だし、無理か」

「さりげなくディスられてるのもだが、俺に何を期待してるのかがもっと気になる」

「うーん……。手を繋いだりとか、一緒にお出かけしたりとか?」

「いやそれもうカップルだろ」

 色々と言われたことに反論しているうちに、嫌でも気疲れがどっと出てくる。週末がすぐそこに見えている金曜日なので、すでに蓄積疲労の溜まっているエースの肩にずっしりとした重みが乗っかる。


 その後も会話と移動を続けていくうちに、一行は教室のある3階にたどり着いた。いつもなら人の姿は見えずとも教室から活気が漏れている廊下は、同じような光景で正反対の雰囲気を出していた。

「しっかしこうまで早いと誰もいないなー」

「まぁ、学校に早く来たところでそんなにたくさんはやることないからねー。いつもの君たちみたいにギリギリとまではいかなくても、遅めに来る人のほうが多いと思うよ」

「いつも来ないから、新鮮だな」

 そういうエースの視線の先には、分かれ道がある。フローラのみ直進、残りの3人は右折して自分の教室へと向かうため、ここで一旦お別れとなる。

「じゃ、ここでお別れだな」

「また後でねー」

「うん、バイバイ」

 その分かれ道でエース、セレシア、フローラの順に各々がセリフを言って別れ、それぞれの教室にたどり着いた。

「ここも人いないなー」

「早いからね」

 エースたちがいつも使う教室にも、人の姿はほとんどなかった。いつもは溢れかえっている時に視線を浴びながら入るため、その光景がないのは気楽に感じられた。

 それが少しだけ、寂しくもあったが。

「さぁて、これからどうするかな……」

 自分の席に座って、天井を見上げるエース。これと言った課題が今日はなく、依頼を受けて外に出るということも今は出来ないため、こうしてぼーっとするくらいしかエースには思いつかなかった。

「そんなに暇なら、せっかくだし演習場にでも行ったらどうだい?」

「んー気が乗らない」

「そっか。僕は少し校舎の中を散歩してくるよ。何かあったらよろしくね」

「ん、りょーかい
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