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永遠の謎
307部分:第二十話 太陽に栄えあれその十九

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第二十話 太陽に栄えあれその十九

「残酷だ。神は本当に」
「そのバイエルン王を幸福にするとなると」
「それは何でしょうか」
「わからない。だが」
 それでもだというのだ。ビスマルクはそこに王への敬意と愛情を示して話すのだった。
「私はそれでもだ」
「それでもですか」
「あの方をドイツの為に利用しても。それでもあの方の為に尽力する」
 そうするとだ。ビスマルクは決意を見せた。
「やはりあの方はだ」
「バイエルン王」
「あの方をですか」
「私は助けたい」
 こう言うのだった。
「御力になりたい」
「それは個人としてでしょうか。それとも」
 それともだとだ。側近の一人が尋ねる。
「プロイセンの宰相としてでしょうか」
「どちらだと思うか」
 強い視線でだ。ビスマルクはその側近に尋ね返した。
「それは」
「個人だと思いますが」
 それではとだ。その側近は答えた。
「違いますか」
「確かに個人ではある」
 それは確かだというのだ。しかしだった。
 ビスマルクはだ。こうも答えた。
「しかしだ」
「しかしなのですか」
「そこで」
「プロイセンとしても援助するべきだ」
 それもするというのだ。王はだ。
「そうあるべきだ」
「プロイセンとしてもですか」
「あの方を援助されるのですか」
「そうされるべきだというのですか」
「何度も言うがあの方はドイツの宝だ」
 何故公に助けるのかも話すのであった。
「その方を放っておいてはならない」
「プロイセンとしてもですか」
「そうなのですね」
「そう思う。バイエルンだけの方ではない」
 それだけではなくとだ。ビスマルクは話していく。
「ドイツの方なのだから」
「だからこそプロイセンとしても助けると」
「そう決められたのですか」
「私の決断も。あの方の行われることも」
 その双方がだというのだ。ビスマルクは話す。
「今は笑われるだろう」
「今はですか」
「笑われると」
「そう思われていますか」
「そうだ。だが今わかることとわからないことがある」
 そうだというのだった。
「私のこともあの方のこともだ」
「後世にわかる」
「そうだというのですね」
「つまりは」
「そうだ。あの方は今はわからない方なのだ」
 何処までもだった。ビスマルクはバイエルン王を見てだ。彼を理解してそのうえで話していく。そうしているのであった。
 そしてであった。ビスマルクは現実に何をするかも述べた。
「では御婚約のことだが」
「それですか」
「そのことですか」
「そうだ。そのことはだ」
 どうするかを話すのだった。

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