第25話。変人とセバスチャン。
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「なぁ・・・・マスター。」
「なんやセブ。」
正月も終わり、2月の中旬に差し掛かった頃。晋吾は自室兼研究室で何やら作業をしていた。
ちなみに和室である。和室におかれたパソコン数台はわりとシュールであった。
話しかけたのはもはや置物と化しているホムンクルスのセブ。好きに呼べと言っていたが、まさかマスターと呼ばれるとは・・
「私の体はいつになったら出来るのだ?」
そう。実はこのセブ、まだ達磨状態でなのだよ。
「んー。もう少しや。」
「この間もそう言っていたぞ。腕と足の動作実験だったか?あれは成功したのではないのか?」
実は四肢を1つずつ取りつけての動作実験は成功した。
魂と肉体を結ぶ精神及び神経を疑似的に形成させるエーテル。ホムンクルスの鋳造の時にも使われるらしい。
姉ちゃんは『知識』はあるけど技術がないため、セブの魂と機械の腕をエーテルでつなぐことができないとのこと。
仕方がないので爺ちゃんに聞いてみた。そしたら広辞苑10冊分ぐらいの本が送られてきた。ちょっと感動した。
二人で10月あたりからあーだこーだ言い合って先週、何とか作ることができた義手・義足の様なもの。
セブにつけて、指やら関節やらが動いた時は二人で飛びまわって喜んだ。フッ、やはり開発はいい・・・・
しかしエーテルとやらは反則だ。魔術協会において第五架空元素であり、すべての物質の素であるエーテル。
これに熱・冷、湿・乾の要素が加わることで風火水地の四要素になる。四大の要素に溶け合い、形を成す為に必要な媒介とされる。
魔術の世界で言うエーテルはこんなものだ。簡単に言うとこれがないと魔術が成立しないというもの。
しかし、科学的見方は違う。俺から言わせるとこれは高性能情報変換粒子とでも言うか?
ちょっとした科学的な話になるが、こいつがあれば8バイト64ビットの情報が、一瞬にして膨大な数に変換できる。しかも逆も可能ときている。
正直これさえあれば人工知能なんぞ余裕だ。人の思考情報も演算できる超高性能CPUがあるからな。
どーしよー。めっちゃ使いて―。科学的なアプローチでのエーテルの証明は・・・・多分可能。
2・3年ぐらいの時間はかかると思うけど何となく筋道は見えている。
しかし、そんなことしたら魔術側の攻撃が半端なくなることは必然。シロちゃん達も危なくなる。
クッ!こんな裏コードみたいの知りたくなかったわ。やりたいけど我慢我慢。・・・・最終手段としておこう。
まぁ、とりあえず実験は成功したのだ。しかし、まだセブが達磨である理由は・・・・
ぶっちゃけ出来具合が気に入らなかったからである。
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ