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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
遥かに遠き刻の物語 〜ANSUR〜 V
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ドの長髪を背中辺りで結っている少女だ。頭頂部から生えている2本の触覚のような髪が、彼女が笑うたびにユラユラと揺れている。

『ステア・・・。白焔の花嫁ステアのことだね』

『ああ。何かと私をからかっては遊びたがるムスペルヘイムの王女、ステア・ヴィエルジェ・ムスペルヘイムだ。彼女にはいつもからかわれて、何度死にかけるような思いをしたか判らない』

心底げんなりしたルシリオンの説明を聞くなのは達。その背中の曲がり具合から、よほど大変な目に遭ったんだろうと察する。

「ステア様! そういうことは嘘でも言ってはいけないと思います!!」

「その前に! ここはわたしの家でもあるのですが!?」

そんなステアに詰め寄り猛抗議するのは、キャロのような小柄な少女2人。

『見て判るように、片方は私の妹。拳帝シエル・セインテスト・アースガルドだ。あの外見で、私との修業のおかげもあり、肉弾戦だけでは魔術師最強だ』

ステアに抗議する間、シエルの銀髪を頭の両側で結っている赤いリボンが揺れまくる。同時にツインテールもまた揺れまくり、小動物を思わせる。中身は猛獣だが・・・。

『そしてもう片方。殲滅姫カノン・ヴェルトール・アールヴヘイム。あの子もまた私の弟子の1人で、砲撃戦特化の固定砲台魔術師だ』

セミロングのプラチナブロンド、ライムグリーンの瞳が揺れる。彼女カノンは、この場に居る王族(ぜんいん)に対し必要以上に敬意を払っている。そんな彼女自らもアールヴヘイムの王女ではあるのだが、敬意を払い過ぎて他のメンバーに抗議するような発言だけで、失神しそうになるのが彼女だった。

『カノンは根が真面目で、アールヴヘイム王族の反対を押し切って自らこの不条理な戦争に出てきた。だから彼女には、自分の身を守るための必要最低限の事を教えたんだが、気付けば砲撃戦では私と同等の力を得ていた』

懐かしそうに、本当に懐かしそうに目の前で繰り広げられている騒ぎを見つめるルシリオン。なのは達は何も言えなかった。そんな表情をするルシリオンを見るのが初めてだったからだ。

「随分楽しそうですね。私も交じらせてもらってもいいですか?」

そこに1人の少女と、付き添うように側に控える1人の女性が姿を見せた。彼らは一斉に動きを止め、この場に現れた少女に向かって「フノス様!」と、呼ばれた少女に身体を向ける。

『フノス。英雄アンスールを率いる大英雄。神に愛されし子、だね』

『ああ。フノス・クルセイド・アースガルド。全ての魔術師の頂点に立つ存在。アンスール設立の立役者、魔道王フノス。それがあの小柄な少女だ』

陽の光に輝く流れるような銀髪。総てを見透かすようなコバルトブルーの宝石の如き瞳。穢れを知らないきめ細かく雪のように白い肌。その笑みは、全てを包み込
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