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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
遥かに遠き刻の物語 〜ANSUR〜 V
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『ルシル・・・!』
そこには泣いているルシリオンより大人びた、なのは達の知るルシリオンが居た。その表情は何かを堪えるかのような険しい表情だった。
『ルシル。やっぱり君は、君たちは・・・』
『ああ。再誕神話。アレは実際に起きたことだよ、ユーノ。そして、私とシャルが生きていた時代だ』
そう言ってルシリオンは少年時代の自分へと近付いて行く。なのは達はそれを見ていることしか出来なかった。
『私が本格的に参戦するのはこの5年後、20歳のときだ。それまでは、友と魔術を磨き、捕獲したヨツンヘイム連合の主力兵器を改良した兵器などを造っていた・・・』
頭だけは良くてね、と呟きながら左手を振るうルシリオン。すると景色ががらり変わる。そこは、どこかの庭園のようだ。
『ここは・・・?』
『私の故郷、魔道世界アースガルド。セインテスト王領にある私の城、グラズヘイム城の庭だ』
はやての問いにそう答えるルシリオンは、なのは達は引き連れるようにその庭を歩く。綺麗な花畑のある美しいその庭を。
「はぁぁぁぁぁっ!」
「これでどうですっ!」
彼女たちの耳に、雄叫びと金属がぶつかり合う音が聞こえてきた。ルシリオンは『行ってみるか?』と言い、音のしている場所へと歩いていく。なのは達もそれに続いて、庭園の奥へと歩いていく。そして庭園の奥、拡がる平地に彼らは居た。
『彼らが神話に語られる英雄、アンスールだ。あと2人居ないが、もう直に姿を現すはずだ』
ルシリオンの視線の先には、10人の人影があった。男はルシリオンを含めて4人。残り6人は全て女性――いや、まだ少女だった。
『あの人・・・フェイトさんにそっくりです・・・』
リインフォースUの視線の先、今のなのは達と同じ年頃と思われる少女が木陰で休んでいた。シアンブルーの長髪をツーサイドアップにし、その桃色の瞳でルシリオンを見つめる少女。足元まで隠す、装飾の施された白いワンピース、その上から白のクロークを着込んだ可愛らしい姿。髪と瞳の色こそ違えど、その外見はフェイトとそっくりだった。
フェイトはその少女を見て、ある1つの名前を口にした、『もしかして・・・シェフィ・・・?』と。フェイトの言葉に、ルシリオンを除くその場の全員が目を丸くする。思うことはただ1つ。どうして知っているのか?だ。
『・・・憶えていたのか、フェイト?』
『うん。10年前、初めて私とルシルが出会った時、ルシルは私を見てすごく驚いて口にしたよね。シェフィって。何となくずっと引っかかってたんだ』
ルシリオンにそう聞かれたフェイトが即答した。彼女にとって好意を持つルシリオンの口から出た女性の名前は、忘れえないものだった。
『・・・そう。彼女の名前はシェフィリス・クレスケン
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