機動戦士ガンダム
2209話
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り、建国宣言をした後は一国の女王として振る舞うといったように、セイラは最近非常に忙しい日々を送っていた。
一応何度か魔法球の中で気分転換をしていても、自分でも気がつかないうちにストレスや疲れを感じていたのは間違いない事実だ。
ラルと……更にはアンリからもその辺を相談された事がある俺としては、今回の一件は丁度良い出来事だったのは間違いない。
ともあれ……そんな訳で、俺とセイラは一夏のバカンスを楽しむ事にするのだった。
……今はまだ5月の末なので、季節的には春と呼んだ方がいいのだろうが。
「全く……思いついてから行動に移すまで、ちょっと早いのではなくて?」
そう告げるセイラは、変装用のかつら……ウィッグって呼ぶんだったか? ともかくいつもの金髪ではなく赤毛の髪になり、サングラスをした状態で周囲の街並みを眺めつつ、呟く。
既にここはサイド6で、俺とセイラはルナ・ジオンの関係者だと知られないように影のゲートを使って密入国している。
ここのサイド6のリボーというコロニーに来るまでは、苦労した……訳ではない。
実際、サイド3とかでもコロニーに自由に出入りしていたのだから、前線という訳でもない中立のコロニーに侵入するのは、俺にとってみればそこまで難しい事ではなかった。
「そうか? それでもしっかりと根回しをしたんだから、そこまで悪いとは思わないけどな」
セイラをサイド6に連れていくという事を決めてから、俺はすぐにラルとアンリに連絡をし、その日の内に大方の根回しを終え……そうして、翌日にはこうしてサイド6にあるリボーというコロニーにやって来たのだ。
ラルとアンリは、せめて護衛を連れていって欲しかったようだったが、俺がいるという時点で護衛の類は必要ない。
また、セイラも高いニュータイプ能力を持っているので、自分に対する悪意を抱いている相手はすぐに分かる。
……もっとも……
「ふん」
俺の視線の先で、面白くなさそうにしている男を見る。
そう、高いニュータイプ能力を持ったという事は、場合によってはセイラに向けられる悪意……だけではなく、欲情の視線といった下卑た視線もダイレクトに受け止める事になるのだ。
そして今のセイラは、誰が見てもセイラだとは思わないが、その女らしいボディラインと、サングラスをしていても美人だと理解出来る顔から、近くにいる男達からその手の視線を向けられてしまうのだ。
この点に関しては、ニュータイプ能力を得た事は、セイラにしてはあまり面白くないと思ってもおかしくはないだろう。
「さて、それでどうする? ちょっとリボーコロニーを観光していくつもりだったけど、どこか見てみたい場所とかはあるか?」
取りあえず不愉快そうなセイラの様子は気にしないよう
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