暁 〜小説投稿サイト〜
戦国異伝供書
第十六話 天下の大戦その四
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「よいな」
「わかり申した」
「ではすぐに戦の用意を進め」
「まずは都に行きましょう」
「そして都を収めましょう」
 家臣達も応えた、こうしてだった。
 織田家は諸勢力との戦に向かった、都を一気に降す為に美濃から一気に都に向かった。だが九鬼はというと。
 すぐに志摩に向かいそこの港で船達を見てだ、こう言った。
「ではな」
「はい、これよりですな」
「この船達を動かしますな」
「いよいよ」
「そうしますな」
「そうじゃ」
 こう己の家臣達に答えた。
「すぐに堺の方に向かうぞ」
「そしてですな」
「堺にこの船達を置いて」
「戦になれば」
「動かしますな」
「そうじゃ、最早どの様な船もじゃ」
 これまでの船達はというのだ。
「この船達には敵わぬ」
「左様ですな」
「この船は特別です」
「それこそ矢も鉄砲も通じませぬ」
「炮烙すらも」
「だからじゃ」
 それでというのだ。
「この船で毛利の水軍が来てもな」
「勝ちますな」
「そして毛利の水軍を退け」
「そのうえで」
「戦を確かなものにするぞ」
 毛利家とのそれをというのだ。
「よいな」
「わかり申した」
「ではそうする為にも」
「この船達も動かしましょう」
「まずは堺まで」
「そうするぞ、毛利の水軍は強い」 
 九鬼もこのことを認める。
「しかしな」
「この船には敵いませぬな」
「この鉄の船達には」
「木の船では」
「到底ですな」
「そうじゃ、この船に勝てるものは」
 それはというと。
「鉄の船だけじゃ」
「この船と同じ、ですな」
「そうした船達だけですな」
「しかし本朝でこの船を持っておるのは我等だけ」
「織田家だけですな」
「それで負ける筈がない、この鉄の船達で海で勝ち」
 そしてというのだ。
「海を我等のものとすればな」
「本願寺も降るしかありませぬな」
「そして瀬戸内で毛利の好きにはさせませぬ」
「戦は一気に我等に傾きまする」
「必ずそうなりますな」
「そうじゃ」
 その通りだというのだ。
「だからじゃ、勝つ為に今からな」
「出港しましょうぞ」
「そして堺の港に入り」
「そこで敵を待ちましょうぞ」
「そうするとしよう」
 まさにとだ、こう言ってだった。
 九鬼は志摩の水軍を堺に自らが率いて向かわせた、その間に信長自ら率いる織田家の軍勢は都をだった。
 一気に収めた、義昭は挙兵はしたが兵は極めて少なくかつ都の誰も公卿も寺社も民達も一切支持をせず。
 むしろだ、織田家に対して好意的でだった。
 義昭の挙兵は即座に鎮圧された、これで幕府は遂に滅び義昭は都から追放されることになったのだが。
 その時にだ、信長はこう言った。
「特にじゃ」
「公方様のお命は」
「特にです
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ