第二章
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「お米も美味しくてお料理も」
「いいんだ」
「この街は」
「そうした街なんだ」
「ですから楽しんで下さい」
静岡に来たならばというのだ。
「是非共」
「そうか、じゃあな」
「静岡のことも聞かせてもらったし」
「それじゃあな」
「楽しもうか」
「全力でそうして下さいね」
真面目に言う桜玖耶だった、そしてだった。
桜玖耶はガイドもしてそのうえで外国からの観光客達に静岡の名所や名店を紹介していった、それは日本からの客達についても同じだった。
毎日静岡の観光の為に働いている、それよく三時には今は静岡の守護神の一人となっている今川義元と一緒におやつの桜餅と緑茶を飲みつつ話をした。
「最近本当に世界中からお客さんが来ますね」
「そうでおじゃるな」
顔に白粉を塗って公家の恰好だ、顔立ち自体は整っていて気品があるがどうにも胴長短足なのが目立つ。
「近頃は」
「それで私もやりがいがあります」
「静岡を紹介してでおじゃるな」
「はい、次郎長親分のことも」
幕末から明治の有名なヤクザ者である。
「お話しています。ただ」
「ただ?どうしたでおじゃるか」
「森の石松さんは実在の方か」
「モデルとなった者がおるから実在と言えるでおじゃるよ」
これが義元の考えだった。
「麿としては」
「そうでしょうか」
「そうでおじゃる、だから実在と思われても」
その森の石松がだ。
「いいでおじゃるよ」
「その辺りはいいですか」
「おおらかにでおじゃる、次郎長もでおじゃる」
かつて静岡を治めていた大名としての言葉だ。
「今では静岡の守護神の一人でおじゃるしな」
「今川さんと同じで」
「うむ、仲良くせねばでおじゃるよ」
「それはその通りですね」
「さもないと名護屋に負けっぱなしでおじゃるぞ」
ここでこうも言った義元だった。
「名古屋といえばわかるでおじゃろう」
「はい、私も」
このことには真剣な顔で返す桜玖耶だった。
「もう四百年以上のことで怨みはないですが」
「麿もでおじゃるがな」
「戦国の倣いとして和解はしても」
「競争心はあるでおじゃる」
つまりライバルと考えているというのだ。
「そうでおじゃるな」
「はい」
桜玖耶は桜餅を食べつつ答えた。
「それはもう」
「静岡ならば」
「清水生まれですよ」
このことから言う桜玖耶だった。
「こっちは」
「任侠の血がでおじゃるな」
「それもありますから」
桜玖耶は自分にはと言った。
「ですから」
「負けん気はあるでおじゃるな」
「負ける気はないです」
それこそという言葉だった。
「絶対に」
「ではでおじゃるよ」
「はい、これからもですね」
「名古屋に勝つ為に」
「頑張っていきます」
「麿もそ
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