二十八匹目
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合えファルコ」
「あ、あぁ」
一方妻達は子育てや家事について話していた。
「それでですね、シラヌイの尻尾のもふもふ具合ときたらお母様にも負けず劣らずでしてね」
シェルムが年頃の少女のような笑顔で息子を自慢する。
子供自慢からいつの間にかもふもふ自慢になる辺り、シェルムもブライをバカにできないのである。
「確かに筆頭のご子息の尻尾は触り心地がよさそうだ」
「あとで触って見てください! 絶対気に入りますから!」
「は、はい」
周辺諸国が恐れるリーサルウェポンの二つ名とニコニコと純真無垢な少女のような笑顔の間のギャップに、ホルルは困惑していた。
「ホルルさん、ところでシャクティちゃんの翼はどうなのですか? もふもふですか?」
「もふもふだな。それに大きい。
きっとご子息くらいならば包み込めるだろう」
「なるほど、今頃シラヌイはシャクティちゃんの翼の中ですか」
「だろうな」
「ふむ……」
シェルムが考える素振りを見せる。
「筆頭?」
「ホルルさん」
「なにか?」
「今日ここに泊まっていきません?」
「私に娘がいるのは知っているだろうか?」
「知っているとも。私の叔父上の孫だからな」
アーネストが浮かない顔で切り出し、ブライが応える。
「トレーネは私の三倍は生きている。きっとクーコも長く生きるのだろう」
「ふむ……ハーフエルフの2世代目位まではエルフと寿命がかわらないからな…」
「私はきっと、娘と妻に見送られて死ぬのだろうな……」
アーネストが悲しげに、憂うように言った。
「殿下。エリクシールを使えば良いのではないですか?」
「私はあの薬をあまり好きになれないんだ…。
命を伸ばす薬……それは円環の理に反しはしないか?」
「アーネスト、たかが人間一人が長生きしたところでサークリオン様は何も言わん。
それも含めて運命の円環だ」
「そうなのだろうか…」
「アルフレッドとツェツィーリアだって使っているだろう」
「うむ…しかし…」
そこでファルコが発言した。
「殿下」
「ん、なんだ第五師団長」
「貴方が為したいように成せばいいのです。
貴方が円環に従いたくば、エリクシールを飲まない。
妻子と同じ時を歩みたいならば、飲めばいい…。
まだ時間はあるのです。今の段階でそう悲観する事もないでしょう」
「………そうだな」
結論を先延ばしにし、話が断たれた。
短い沈黙の後、道化役を買ってでたのはブライだった。
「暗い話はここまでだ! 今日は飲もうじゃないかアーネスト! ファル
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