二十八匹目
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客室のソファー、シャクティは膝にシラヌイを乗せ、翼でくるんでいた。
「きつねくん……しっぽもふもふだな」
「シャクティの羽毛ももふもふだよ〜」
シャクティは包み込んだシラヌイの尻尾を、シラヌイは自分を包むシャクティの羽毛を、それぞれもふもふしていた。
「はわぁ〜…しゃくてぃのつばさもふもふぅ〜」
シャクティもシラヌイも、互いにもふりあってリラックスしている。
「きつねくん、耳をさわってもいいかい?」
「敏感だから、やさしくしてね」
父がエルフであるシラヌイは素の魔法的聴覚が母や祖母より高いが、比例するように耳は敏感だ。
「むろんだ」
シャクティは翼に力を込め、シラヌイを膝の上に固定し、両手でシラヌイの狐耳を触り始めた。
「ふさふさ…ふにふに……すごいな」
「んぅ……んゅ……んにゅゃ…」
次第にシラヌイから理性が剥がれ落ち、幼さが露出する。
シラヌイはシャクティの羽に包まれながら、寝息をたて始めた。
シャクティは次に、シラヌイの髪を手櫛ですき始めた。
男にしては少し眺めの髪は、真っ直ぐのストレートでありながら柔らかく、ふわっとしていた。
すんすん、とシャクティはシラヌイの匂いを嗅ぎ始めた。
「甘いにおい………?」
微かだが、ふわりと甘い匂いを感じたシャクティ。
「こーすい?」
すんすん……すんすん……。
「このにおい…すき……だなぁ」
欲しい。シャクティの中に、欲望が生まれた。
「きつねくん………」
シラヌイをぎゅっと抱き締めながら、シャクティは、眠りに落ちていった。
会場ではシュリッセル夫妻、アーグロ夫妻共に妻夫は別れ、話し合っていた。
夫同士は最近の情勢がどうだとか、次の王は誰になるかなどを話していた。
「やぁ、第三師団長殿、第五師団長どの」
「これはこれはアーネスト皇太子。如何なされましたか?」
現れたのは、金髪の美丈夫だ。
名をアーネスト。姓はフライハイト。
アルフレッドの次男、皇太子だ。
「ふふ、にあってないぞブライ」
「お前こそな、アーネスト」
アーネストとブライが顔を見合せ笑う。
ブライはアーネストが子供の頃から知っており、アーネストもブライを兄貴分のように思っている。
が、ファルコはそうも行かない。
「第五師団長、君もそう固くならなくともいい」
「は、ですが…」
「私などただのヒューマンだ。君達翼人が畏まるような存在ではないよ」
アーネストは自嘲気味に言った。
「どうしたアーネスト? お前らしくもない」
「そうかい?」
「ま、話くらいは聞こう。お前も付き
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