二十七匹目
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ていた。
パーティーが本格的に始まって、まだそう時間が経っていないというのに、シラヌイには疲れが見える。
「初めましてシラヌイ君」
シラヌイが今挨拶した人物は、ヒトの手足と背中に羽を持つ翼人の男だった。
「私はファルコ・アーグロ。君のお父さんとの同僚のような者だ」
ファルコがシラヌイの頭を撫でる。
「うむ。いい毛並みだ。だが私の娘には及ばぬな」
「シラヌイ。この鳥頭が王都守備空戦隊である第五師団の師団長だ」
「誰が鳥頭だ耳長野郎」
「お前だよ。お前の娘より俺の息子の方がもふもふなんだよこの野郎」
もふもふの子供を持つ者同士、メンチを切り合う。
シラヌイはその間であたふたしていた。
「はいはい、そこまでですよブライ」
「バカやってんじゃないぞファルコ」
と、そこへそれぞれの妻がやって来た。
「シラヌイ。この人たちは会うたびこうだから焦らなくていいですよ」
「そうなのですか?」
「そうよ。まったく…うちの鳥頭がすまなかったなシラヌイ君。
私はホルル。このバカの妻だ」
ファルコの妻は、キリッとした容姿の背の高いハーピーだ。
その後ろに、少女が一人隠れている。
その少女は、ホルルの後ろからじっとシラヌイを覗き込んでいる。
「シャクティ、挨拶するんだ」
ホルルの後ろからでてきた少女は、シラヌイより頭二つ分ほど背が高い翼人だった。
所々白い毛並みの入った茶髪で、ホルル似の、目付きのキツイ女だ。
「シャクティ・アーグロという。よろしく」
シャクティの手を、シラヌイが握り返す。
「僕はシラヌイ。よろしくね、シャクティお姉さん」
そこでファルコが笑った。
「くく…シャクティはまだ君と同じ五歳だよ」
「五歳!? このタッパで!?」
「アタシは鷹で夫が隼だからね…成長も早いのさ」
「猛禽界のサラブレッド……」
シラヌイがポツリと呟く。
「さら……なんだ?」
シャクティがこてんと首をかしげる。
「いや、なんでもないよ。シャクティ」
「?」
首を傾げたまま、ジーっとシラヌイを見つめるシャクティ。
「だいいちしだんちょーどの」
ブライに一切目を向けず、シャクティはブライを呼んだ。
「む、なんだいシャクティちゃん?」
「あなたのむすこさんのしっぽさわってもいいだろうか」
ファルコがシャクティを咎めるより先に、ブライが動いた。
「いいよ。客室で好きなだけもふもふしてくるといい」
速攻でメイドを呼び出したブライは、メイドにシラヌイを抱えさせ、シャクティを客室に案内させた。
「ふははははは! ファルコよ!貴様も我が息子のもふも
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