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銀河英雄伝説〜其処に有る危機編
第八話 士官学校校長って閑職だったよね?
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していました」
にこやかに、晴れやかに……。
『そうか』
「……」
なんで大変だな、とか御苦労だな、とか言ってくれないのかね。それだけでも好感度が違うんだが……。

『今日は捕虜帰還の祝賀会が宮中にてある。知っているな?』
「はい、そのように聞いております」
『卿も出席せよ』
「先日欠席するとお伝えした筈ですが……」
俺みたいな平民の若造は祝賀会なんて居辛いんだよ。分かるだろう? エーレンベルクが溜息を吐いた。分かってないみたいだ。だから貴族は嫌いなんだ。

『卿は捕虜交換の発案者だ。その事は皆が知っている。その卿が祝賀会を欠席というのはおかしかろう』
「はあ、ですが……」
『出席するように、これは命令だ』
「……はい」
エーレンベルクが不機嫌そうに頷いた。何で? 言う事聞いたんだから普通は満足そうに頷くべきだろう。なんか不本意だな。俺ってそんなに嫌な奴なの?

溜息が出そうだ。しょうが無いな、後でミュラーに連絡して宇宙艦隊の連中に俺に近付くなと言って貰わないと。俺達が仲良くするとラインハルトが僻むんだよ。帝国が守勢をとるのも俺の所為だとか言っているらしい。勘弁して欲しいよ、俺ってそんな偉くないんだから……。

『ところで次のレポートだが何時頃になる』
今度はレポートかよ!
「その事ですがそろそろレポートの提出は勘弁して頂きたいと思っているのですが」
『……』
なんで喜ばないの。何時も嫌そうに受け取るじゃないか。不本意だな、ぶちまけてやろうか。

「ネタも有りませんし喜ばれていないようですので……」
『……帝国軍三長官は卿のレポートを高く評価している』
評価はしても喜んではいないだろう。前回のレポートは自信作だって言ったのに溜息を三回も吐きやがった。数えていたんだぞ。
「ですが軍務尚書閣下は何時も不機嫌そうになされます。前回のレポートは溜息を三回もお吐きになられました。小官としましても軍務尚書閣下の機嫌を損ねてまでレポートを出すのは気が引けます」
エーレンベルクが何か言いたそうにして口を閉じた。

『……もう一度言う、帝国軍三長官は卿のレポートを高く評価している。次のレポートは何時頃になる』
「……十二月頃には」
『分かった、十二月だな』
スクリーンが何も映さなくなった。なんか腹立つなあ。今年最後の嫌がらせにうんざりする様なレポートを送ってやるよ。スクリーンに向かって思いっきりアッカンベーをしてやった。虚しい……。



帝国暦487年 9月 1日 オーディン  新無憂宮  翠玉(すいぎょく)の間  エーリッヒ・ヴァレンシュタイン



「いつも思うのですがヴァレンシュタイン中将は浮いていますなあ」
「そういうリューネブルク中将も浮いていますよ」
二人で顔を見合わせて小
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