第一章
[2]次話
憎まれない敵
ドカユキンは自分の事情で戦ってくれるヒーローを探している所謂フリーの怪人である。だが彼は案外だった。
友達もいて交流もある、脱走した先であるマッドサイエンティスト志望の歯科医や彼の娘そして娘のボーイフレンドとも交流が今だにある。
そのボーイフレンドとだ、ドカユキンは今富山の山中にある自宅で一緒に好物のホタルイカの沖漬けを食べつつ言った。
「吾輩は今困っているである」
「内蔵のOSか?」
ボーイフレンドはすぐに彼に応えた。
「もういい加減に交換しろよ」
「旧式だからであるな」
「ああ、メーカーサポート終わってんだろ」
「そこが吾輩の弱点である」
「ドイツ空軍の戦闘機じゃないんだからな」
何でもこの軍隊は何かと問題を抱えているらしい。
「さもないとヒーローと戦ってもな」
「内蔵コンピューターのOSのせいで、であるか」
「それが性能に影響してな」
それでというのだ。
「本当にな」
「負けるであるか」
「そうなりかねないっていうかな」
「ヒーローは強いからであるか」
「ああ、ちょっとした弱点がな」
それでというのだ。
「命取りになってな」
「負けるであるか」
「そうなりたくなかったらな」
「内蔵コンピューターの交換であるか」
「どうせ95か98だろ」
「7である」
「それも古いな、10に換えろ」
これがマッドサイエンティストの娘のボーイフレンド、彼の友人の提案だった。
「いいな」
「ううむ、金はあるであるしな」
「仕事してるんだろ」
「これでもご当地怪人としてイベントに出たりしているである」
それがそのままドカユキンの仕事になっているのだ。
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