第三章
[8]前話
「一体な」
「ですから私の様な未熟者が」
「人は誰でも未熟じゃ」
師匠はこの言葉は強い声で述べた。
「わしもそうじゃ」
「師匠もですか」
「そうじゃ」
その通りだというのだ。
「まだまだな、それでじゃ」
「師匠も目標とされている人はいますか」
「ご先祖様じゃ」
即ち百地三太夫だというのだ。
「あの方を今でもじゃ」
「目指されていますか」
「それでどうしてお主を笑う、若し笑う者がいれば」
そうした者はというと。
「目標を目指して努力することを知らぬ者じゃ」
「そうなるんですか」
「お主は違う、服部半蔵殿が目標なら」
「それならですね」
「うむ、目指せ」
服部半蔵、彼をというのだ。
「そしてじゃ」
「そのうえで、ですね」
「日々鍛錬そして修行に励め」
忍術のそれにというのだ。
「そして何時か目標に届き」
「服部半蔵さんに」
「そして超えるのじゃ」
その目標をというのだ。
「もっと凄くなるのじゃ」
「もっとですか」
「やる気をなくさずにな、鍛錬と修行に励み」
そうして言ってというのだ。
「何時かじゃ」
「服部半蔵さん以上の忍者になる」
「そうなるのじゃ、よいな」
「目標を超えることですか」
「そうなろうと鍛錬修行に励むことじゃ」
このことが大事だというのだ、こう話してだった。
才蔵にだ、あらためて告げた。
「今日の修行はここまで、ではな」
「明日もですね」
「修行に励め、忍者は一日にしてならず」
「鍛錬修行を積んでこそ」
「目標も超えられるということを忘れるでない」
この日の修行の最後に言うのだった、そうして才蔵は師匠にこの日稽古をつけてくれたお礼を言って自宅に帰ってたらふく食べて風呂に入って寝た、そして次の日もまた次の日も忍術の修行に励んだ。目標とする服部半蔵に匹敵するそして彼以上の忍者になる為に。
目標とする人 完
2018・10・24
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