第一章
[2]次話
目標とする人
伊賀乃才蔵は三重県伊賀市に住む高校二年生で忍者の修行をしている、忍術はまだまだ半人前であるが熱意は充分だ。
それで毎日学校に通いながら修行をしているが師匠である伊賀の長老一説では百地三太夫の末裔であるという老人によくこう言われていた。
「まだまだじゃ」
「はい、私の忍術は」
「未熟じゃ」
厳しい声で言うのだった。
「それではな」
「自覚しています」
「だから日々の鍛錬、修行は怠るでない」
決してというのだ。
「日々の鍛錬、それこそがじゃ」
「忍者を育てていきますね」
「忍の道は一日にして成らず」
師匠は才蔵に瞑目する様にして述べた。
「だからじゃ」
「それ故に」
「うむ、忍者になりたいならじゃ」
一人前のそれにというのだ。
「まずはじゃ」
「修行、鍛錬ですね」
「お主は子供の頃から修行をしておる」
高校二年生になる今までというのだ。
「もの心ついた頃からだから十三年か十四年か」
「毎日修行と鍛錬をしていても」
「その程度ではじゃ」
十三年や十四年の修行ではとだ、師匠は才蔵にここでも厳しい声で述べた。
「まだまだ、ようやく半人前じゃ」
「だからこれからもですね」
「修行じゃ」
それがあるのみだというのだ。
「よいな、お主は今は未熟じゃ、しかしな」
「未熟であることを自覚して」
「そうして修行していくのじゃ」
「そうしていけばいいですね」
「左様、あとわしは食うなとは言わん」
とにかく食べることが好きな才蔵にとっては嬉しい言葉だった。
「食べてその分じゃ」
「鍛錬、修行ですね」
「それを行うのじゃ、よいな」
「わかりました」
確かな声でだ、才蔵は師匠に応えた。そうしてだった。
才蔵はよく食べつつ毎日鍛錬、修行を行っていった。毎日走って駆けて隠れて投げて振ってだった。
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