暁 〜小説投稿サイト〜
ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第11話 目覚めの朝
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小鳥たちのさえずりが未だ静かな室内へ、これから騒がしくなる外から聞こえてくる。心地よい日差しがカーテンの隙間から漏れこみ、暗い部屋の中で寝ている人の顔を照らして朝の到来を告げる。
それはミストにとっていつもと同じ、一日の始まりである。
「ん……」
ベッドの上で寝ぼけ眼をこすったミストは、顔を二度ぴしゃりと叩いて目を強制的に覚ました。
ミストの朝の目覚めは、何か特別なことがない限りエースより早い。その理由は2人分の朝御飯を作ることが、彼にとっての日課であるためだ。
今日もこうしていつものように朝御飯を作りに、ついでに朝の快適な目覚めを実現しようと目覚めのコーヒー――ミストはブラックでは飲めないのでミルクと砂糖入り――を飲みにリビングに向かった。
まだ静かな家の中、ゆっくりと扉を開けて廊下を歩き、ガラスの張られている戸を開く。ここまでは全く変化の余地がない、いつも通りの日々。
そうでなくなったのは、ミストがリビングにたどり着いたときだった。
リビングに入ってきたミストの視線の先、普段ならテーブルが置かれているそこにあったのは――無造作に広がった髪の毛と、微妙にはだけさせた胸元で、寝姿でも色気を醸し出す少女――フローラ・スプリンコートの姿だった。
眠気を簡単に吹き飛ばすその光景がここにある理由ならば、誰に聞かずとも分かる。昨晩からフローラの護衛という依頼の最中であり、布団を敷くスペースを確保するためにリビングで寝ることを提案したのは他でもないミストだ。発言からまだ半日も経っていない上に自分の発言なのでもちろん覚えている。
だがそういった一切の事情は関係なく、目の前の光景には目覚めのコーヒーなど比べ物にならないほどの威力があった。ミストとて思春期真っ只中の男子なので、少しだけだが顔を赤くする。
普段では絶対に誰にも見せない反応が出てくるのは、起床直後ですべてのコントロールが立ち上がり始めている時間だからだ。いつもなら感情をコントロールして隙を見せないことで誰にも突っ込まれないようにするのだが、この時間では細かな制御は利かないため素の感情が出てしまう。
最も、誰も見ていないので問題ないのだが。
「まいったな……ここまで無防備だとは」
自身の体つきを省みないその姿にため息をついた後、ミストはいつものルーティンへと入るべく台所へと向かった。
「エースが見たら、どんな反応するかな」
自分よりもとんでもないことになりそうな、今はまだ寝ている兄のことを考えていたミストの口元には、いたずらな笑みがくっきりと浮かべられていた。
* * * * * * *
それから十数分後、彼にとっての目覚めの時
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