暁 〜小説投稿サイト〜
ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第11話 目覚めの朝
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弱いらしい。いつかエースたちが本人から聞いた、『朝に弱い』という弱点が嘘ではないことを今更ながら知る。

 彼女が起きなくともエースたちは朝御飯の準備は出来るが、その後の準備が出来ず、それは3人揃って学校に遅れるという結末を呼ぶ原因にもなる。よって、どんなことがあってもフローラを起こさなければならず、気持ちよく寝ているフローラに対して、エースは心を鬼にして再び起こす。

「早く起きないとミストが困るってさー」

「んー……」

 それまで寝言のように返していたフローラだったが、エースの二言目で何かに勘づいたのか、驚くほどの速さで跳ね起きる。

 そして顔を真っ赤にして、手で覆って、数秒間悶えて、と非常に騒がしい目覚めである。だが、それを訝しむことも、触れることもなく、エースとミストは何もなかったかのように自然な挨拶を返した。

「おはよ」

「おはよう、スプリンコートさん」

「おはよう……ございます」

 数秒後に手が顔から離れると、湯気が出そうなほど真っ赤な顔になっていたフローラ。就寝、起床共に難があるようである眠り姫は、たった今この家での初の目覚めを迎えた。

 それに対して2人が何かを言うことはなく、笑顔を返した後にフローラの1日も無事に始まったのだった。


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