機動戦士ガンダム
2207話
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「あー……やっぱり。ヘリオン作戦の方は失敗したか」
その報告書を見ると、自然とそんな言葉が出た。
ヘリオン作戦……言うまでもなく、連邦軍が地球軌道上にいるジオン軍の戦力をどうにかしようとして、ただでさえ少ないルナツーから戦力を抽出し、発動した作戦だった……結果として、俺の予想通り順調にジオン軍が勝利し、ヘリオン作戦は失敗したらしい。
しかもタカ派が今回の作戦を仕切っていた為か、ある程度の損害が出たら撤退すればいいものを、作戦を指揮していた人物はそれを認めなかった為にここまで大きな被害が出たのだろう。
無能な上官という存在が、これ程までにはっきりとしたマイナス要素を見せつけた例もちょっとないよな。
出来るだけ戦力を消耗しないようにと亀のようにルナツーに籠もっていた連邦軍にしてみれば、このヘリオン作戦で消耗した戦力はどれだけ痛かったのやら。
ともあれ、連邦軍は今回の作戦で消耗した戦力を復活させる為、かなり大変な事になりそうだ。
何より悲惨なのは、ソフトウェア……兵器を操る人の数が減った事だろう。
今までの戦いで、連邦軍の軍人は多くが消耗している。
そんな中、ここで再び軍人を消耗したのだから……哀れとしか言いようがない。
それこそ、補給を担当しているゴップは、一体どう思っているのやら。
恐らく急激に増えただろうゴップの仕事の多さを思いながら、俺は別の書類に目をやり……
「へぇ」
その書類の内容に、感嘆の声を上げる。
何故なら、そこにはヅダの改修について一定の成果が出たという風に書かれていた為だ。
その一定の成果というのは、以前俺がジャンに提案した、関節部分の強化だ。
ただし、ルナ・チタニウムに関しては本当に重要な部分だけに使うようにしたらしい。
……まぁ、馬鹿げたコスト的な問題を考えれば、そうなってもおかしくはないのか。
最重要という程ではないにしろ重要な場所に関しては、関節の機構とかを再開発して……という風な感じらしい。
勿論この関節の部分だけで全てが解決した訳ではないだろうが、取りあえザクとのコンペで空中分解した時のような事は起こらない……と、思う。
まぁ、ジオニック社やMIP社、連邦軍の技術者、そしてギニアスも協力してヅダを改修しているのを考えれば、空中分解といった事は心配ないと思うが。
それでも、一応……本当に一応、ヅダを改修している施設の様子を見ておいた方がいいような気がする為に、俺は立ち上がって影のゲートを展開するのだった。
「アクセル代表!? 一体、どうしたんですか!?」
ヅダの改修作業を行っている研究施設に行くと、研究者の1人にいきなりそう声を掛けられた。
確か、ジャンと一緒にいた研究者で元ツィマッド社の奴だ。以前ジャンと
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