暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第6章:束の間の期間
第178話「魅了の傷跡」
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 落ち込むフェイトに、アリサとすずかは掛ける言葉が見つからない。
 二人にとって、ジュエルシード事件は概要しか知っていない。
 そのために、適格な言葉を見つけられなかったのだ。
 そんなフェイトに声を掛けられるなら、それは姉のアリシアか……。





「フェイトちゃん」

「なの、は……?」

 ……親友であり、かつての魔法のライバルである、なのはだけだった。

「だったら、今から本当の自分を始めようよ」

「え……?」

「まだ終わってないし、まだやり直せるよ。だから、ここからまた始めよう?」

 優しく掛けられたその言葉は、染み込むようにフェイトの心にすとんと落ちる。

「……そうね。まだあたし達は子供なんだし、まだまだやり直せるわね」

「なのはちゃんの言う通りだよ」

 アリサとすずかもなのはの言葉に賛同し、フェイトを励ます。

「なのはちゃんがこんないい事言うなんてなぁ。国語の成績上がったんとちゃう?」

「はやてちゃん!もう……!」

 そこではやてが横槍を入れるように茶化す。
 なのははそれに呆れるように怒る。

「……ふふ……」

 それを見て、フェイトは少し笑う。

「ふふ……ごめんね、いつも通りなのが、ちょっとおかしくて……」

「……ようやく(わろ)うてくれたね」

「そうだね」

 笑ってくれた事に、はやてとすずかが安心したように微笑む。

「……うん。いつも通りでいいんだよね……」

「その通りや。こういうのはあまり深く考えへん方が楽やで?」

 徐々にフェイトは元気を取り戻していく。
 完全に立ち直るまでそんなに時間は掛からないだろう。
 そんな雰囲気が、五人の間には出ていた。

「……皆、ありがとう。もう、大丈夫だよ」

 友人たちの優しさを感じ、涙を流しながらもフェイトは微笑んだ。












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