暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第6章:束の間の期間
第178話「魅了の傷跡」
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すぅ……」

 しぶしぶだったけど、了承してくれた。
 人手はまだまだ足りないけど、これで少しはマシになるだろう。

「奏ちゃんはどうする?」

「……私も手伝うわ」

「そう?それじゃあ……」

 なのはちゃん達にも一言声を掛けて、部屋を出る。
 ……っと、その前に……。

「鈴さん、こっちの事頼めるかな?」

「ええ。いいわよ。事情聴取の類は終わらせてるし、何なら他の式姫にも来てもらえば、こっちの人手は十分よ」

「ありがとう。じゃあ、行くよ」

 鈴さんに後の事を頼み、私たちはクロノ君がいる場所へと向かう。
 念話でどこにいるかも聞いておいたし、入れ違いにはならない。











       =out side=





「それにしても、傀儡……ね」

 司達がクロノの手伝いに向かった後、アリサが思い出したかのように呟く。

「操られてる……って感じじゃないよね?本人も気づいていないような……」

「でも、傀儡なぐらいだから、いつでも操れてしまうのでしょうね……」

 考えるのは、神夜の背後にいるであろう存在の強大さ。
 魅了の力を与えられる程の存在だからこそ、つい考えてしまう。

「ホント、驚きの連続よ……」

「フェイトちゃん、もう大丈夫……?」

「……何とか……」

 アリサは溜息を吐き、なのははフェイトを心配して声を掛ける。
 フェイトはずっとアリシアやなのはが傍にいた事で、だいぶ落ち着いていた。

「……まだ思う所はあるけど、今は驚きの方が大きいから……」

「まぁ……まさかさらにやばい存在がいるなんて思わないものね……」

 魅了を扱う者が元凶かと思えば、その神夜すら傀儡として扱う黒幕がいた。
 幽世の大門の事が落ち着いていない時に、その事実は頭で処理しきれない。

「それにしても、はやては落ち着いてるわね」

「あー、私も驚いてはいるよ?信じられんかったし、目覚めたばかりは混乱しとったよ?……でも、まぁ……そやなぁ……」

「……どうしたの?」

 歯切れが悪いはやてに、すずかが聞き返す。

「いやぁ、あまりに現実味がない事が起きてるからなぁ、実感が湧かへんねん」

「そりゃあ……魔法とかある時点で、今更じゃない?」

「せやけど、それでも実感がなぁ……」

 腕を組み、“うーん”と唸るはやて。
 司達が言っていた事は、抽象的な事もあったため、余計に実感が分かりにくかった。

「……まぁ、どの道このままやとあかんな。立ち直るのもあるけど、今回の戦いで私たちの力不足が浮き彫りになったしなぁ」

「一応、あんた達は一般の管理局員と比べて相当優秀なんだけどね」

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