第6章:束の間の期間
第178話「魅了の傷跡」
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考を振り払うように頭を振る。
今この場で考えても仕方がない。そう結論付けたからだ。
「(今は目の前の事。奏ちゃんも強くなっているのを考えれば、件の“天使”が関わっているだろうし考えても無駄だしね)」
何より、まだわかっていない事が多すぎる。
このまま深入りした所で、藪蛇でしかない。
それなら、意識しないように今は気にしない方がいい。
「……これ以上無理に考えない方がいいわよ。今はただでさえ幽世の大門の件で忙しくなってるから、これ以上はダメよ」
「……分かってる。私もこれ以上の混乱は避けたいからね」
考え事をしていたのを見抜いてか、鈴さんが肩を叩いてそう言ってきた。
そう。気になるとは言えその事ばかりに構っていられない。
今最も重要なのは、今回の事件の後始末だからね。
「(さて、それじゃあ、これからどうしようかな……)」
まだ落ち着きを取り戻しきれていない皆を放置するのは論外だ。
でも、いい加減人手を戻さないとクロノ君の方がまずい。
幸いにも、はやてちゃんは落ち着きを取り戻しているし……。
「(……帝君だけじゃ、まだ足りないしだろうから……)」
戦闘担当の私たちが抜けている分はまだ何とかなる。
でも、ここにいるいつもの皆以外の女性局員のほとんどが事務担当だ。
その人達が抜けたままなのは、事後処理に支障を来す。
というか、多分もう支障が出てると思う。
「(だからと言って、今すぐ戻すのはさすがにまずい。……私たちで何とかするしかないよね……)」
戦闘担当な私たちではあまり足しにはならないけど、ないよりはマシだと思う。
それに、悠長にはしてられないからね。
「(他に行けるのは……)」
魅了が掛かっていた人達は論外だ。それならば、他の人達を。
そう思って、行けそうな人達を選ぶ。
「アリシアちゃん、ユーノ君、リインちゃん」
「どうしたの司」
「皆が心配だろうけど、そろそろクロノ君の方が……」
三人に声を掛ける。三人とも、事務処理関連の事は得意な方だ。
なのはちゃんは苦手だし、アリサちゃんとすずかちゃんはまだ出来る方だろうけど、アースラの設備にまだ慣れきっていない。
ザフィーラは分からないけど、はやてちゃん達についてもらった方がいい。
そう考えて、三人を選ぶ。
「あー、そろそろまずいね」
「時間を掛け過ぎていたからね」
「リインははやてちゃん達と一緒にいたいです……」
アリシアちゃんとユーノ君はすぐに理解して切り替えてくれた。
でも、リインちゃんははやてちゃん達が心配らしい。
「大丈夫。ザフィーラもいるし、なのはちゃん達もついてるから」
「うぅ……分かったで
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