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緑の楽園
第五章
第49.5話 道中
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苦労だ。本日は迷惑をかけるがよろしく頼むぞ」

 城まで案内された。
 兵士たちはここの城の関係者の案内により、それぞれの宿泊予定場所に向かう。



 ***



 国王はその日の夜、領主とその部下一同との宴会に呼ばれていたらしい。用事がすべて済み、寝る部屋に入ったという情報は、ずいぶんと遅い時間にこちらの元に届いた。
 クロとともに、国王のもとへ向かう。

「陛下、来ましたよ」
「うむ。頼むぞ」

 国王が寝る予定の部屋に入った。
 城がコンパクトなこともあるが、割と小ぶりな部屋だ。

「確か法衣は脱いだほうがよかったのだったな?」
「そうですね、それ着たままだと跨げないと思いますので。脱いで足を広げて立ってください」

 国王が言うとおりにする。

「後ろに倒れないように気を付けてくださいね」
「わかった」

 俺はかがんで頭を差し込むと、国王の両足を掴み、合図をしてから持ち上げた。
 そして部屋をぐるぐる回る。

「うむ。やはり気持ちがよいな」
「それはよかったです……が、さっきから俺の頭をクシャクシャしているのは何か意味あるんですか」
「お前の頭が手元にあるからだ」
「……」

 その回答は理解不能すぎてスルーするしかなかったが、楽しそうな感じは、頭を触られている手からよく伝わってくる。
 国王はついさっきまで、この城の偉い人たちと宴会をしていた。それに加え、ここまでの行軍の疲れもあるはず。
 なのにくたびれ果てた様子もないし、たいしたものだと思う。

「お前の考えていることを当ててやる」
「?」
「宴会をやってきたのにずいぶん元気だな、と思っているのだろう」
「前にも同じような状況で頭の中を当てられた気がしますけど。なんでわかるんですかね」
「お前の性格はだいたいわかっているからな」
「単純で悪かったですね……。でも本当にすごいと思っていますよ。よく気力体力が持つなあと」

 クシャクシャしている手が止まる。
 動きがなくなると、その小さな手の温かさがよく伝わってきた。触られた場所から頭全体にジワッと広がるような、心地よい温かさだった。

「宴会は楽しいし、余にとってはそこまで疲れることではない……。それに、勉強は大切だと思っているからな。仮に疲れていたとしても断ることはないだろう」
「勉強?」
「ああ、地方に行ったときの宴会は、その地方のことを勉強するよい機会だと考えている。皆いろいろ喋ってくれるぞ? 地方行政に関することはもちろんだが、この時期この地方では何が綺麗だとか、何が美味しいとか、今何が流行っているだとか……。そのようなことは、本だけではなかなか勉強できない」

 そこまで言うと、今度は頭をポカポカと叩いてきた。

「そう
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