機動戦士ガンダム
2206話
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「ヘリオン作戦?」
俺がその作戦名を聞いたのは、セイラと手を繋いでいたのをアンリに見られた翌日だった。
昨日はジオン軍のトライデント作戦とジャベリン作戦について話を聞いたと思ったら、その翌日には連邦軍が行ったヘリオン作戦。
何だか、ここ数日になって急激に戦争が動き始めたな。
もっとも、今までも別に膠着状態になっていた訳ではなく、宇宙や地球で普通に戦争は行われていた。
ただ、昨日や今日行われた作戦は、比較的大きな作戦だったので、俺の耳に入りやすかったというだけだろう。
「それで? 具体的にヘリオン作戦というのは、どういう作戦なんだ?」
俺のその問いに、レオンは皮肉げな笑みを浮かべて口を開く。
「簡単に言ってしまえば、地球軌道上に位置するジオン軍の軍艦に対する大規模な攻撃となります。連邦軍にとっては、そこにいるジオン軍はよっぽど邪魔だったんでしょうね。……無理もありませんが」
「だろうな」
軌道上をジオン軍に占拠されているということは、即ち頭を押さえられているようなものだ。
地球に侵攻しているジオン軍はともかく、連邦軍にしてみれば、それは面白い事ではないだろう。
その気持ちは分かる。分かるが……
「元々、連邦軍はこれまでにかなりの宇宙での戦力を失っている筈だ。それこそ、ルナツーからはなるべく戦力を出さないようにしているといった感じでな。そんな中で、よくもそこまで大規模な作戦を行う決心が出来たな」
「こちらに入ってきた情報によると、いわゆるタカ派と呼ばれる軍人達が強行にこの作戦を通したとか。……勝てるという自信があるのかどうかは、私にも分かりませんが」
レオンのその言葉は、俺にも納得出来るものがある。
戦争序盤に連邦軍が敗れたのは、結局のところジオン軍がミノフスキー粒子やMSといった隠し球を持っていたのが大きい。
それはつまり、今の状況であってもその戦力差は覆っておらず、結果としてこの戦いの趨勢は見えたも同様だった。
「どうします? シャドウミラーから……もしくは、ルナ・ジオン軍から戦力を出しますか?」
「あー……どうだろうな」
セイラはトライデント作戦、ジャベリン作戦の両方に関わるつもりはなく、両軍にも増援を送るようなことはしていなかった。
その辺りの事情を考えると、恐らく今回の作戦でも同様の態度をとってもおかしくはない。
そうなると、シャドウミラーが戦力を派遣しても……まぁ、正直な話、シャドウミラーが協力すれば連邦軍も勝てるとは思うが、それでも今はそうするつもりはない。
「いや、止めておく」
「そうですか。……ちなみに、もし援軍を出すとすれば、どちらに出しました?」
興味を惹かれたといった様子でレオンが尋ねてくるが、俺がそれに対する答え
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