第六幕その十
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「だから安心してね」
「それじゃあ」
「そうさせてもらいます」
「今から」
「ええ、そうしてね」
「それなら」
ここで、でした。女王バチがです。
ミツバチ達の群れから出て薔薇に向かいます、ミツバチ達は女王バチのその動きを見てびっくりして言いました。
「女王様、危ないです」
「女王様に何かあれば」
「大丈夫です、まずは女王である私が示さなければ」
そうしなければというのです。
「巣の主ですから」
「だからですか」
「まずはですか」
「女王様が」
「はい、行きます。それにアン王女達は何もありません」
今もです、アン達は薔薇の傍それこそお花や葉に触れていますが誰も刺されていません。薔薇達を触りつつにこにことしています。
その薔薇達を見てです、女王バチはさらに言うのでした。
「ですから」
「これからですか」
「女王様がですか」
「薔薇の蜜をですか」
「採ります。オズの国では女王バチも蜜を採れますから」
それでと言うのです、そして実際にでした。
女王バチは薔薇のお花に寄って蜜を採って群れに無事に帰りました、ミツバチ達は自分達の女王を見て驚きました。
「あっ、確かに」
「実際にですね」
「ご無事でしたね」
「何もありませんでしたね」
「そうですね」
また言う女王バチでした。
「ですから」
「これで、ですね」
「我々もですね」
「蜜を採れるのですね」
「薔薇の蜜を」
「はい、薔薇の蜜を採って」
女王バチはミツバチ達に言いました。
「それを私達の蜂蜜に入れてみましょう」
「わかりました」
「そうしましょう」
こうしてでした、ミツバチ達は一斉に薔薇のお花に寄って蜜を採りました。誰も棘には刺されませんでした。
そしてアン達と一緒に巣の方に戻って薔薇の蜜を蜂蜜に入れてみました。それをアンに舐めてもらうと。
アンは女王バチににこりと笑って言いました。
「ええ、これならね」
「いいですか」
「満足出来る味よ」
「では」
ここで女王バチもその蜂蜜を舐めてみました、するとです。
「これは確かに」
「満足出来る味よね」
「はい」
その通りと言うのでした。
「とても」
「そうよね、これならね」
「はい、まことにです」
「満足出来る味でね」
「楽しくです」
まさにというのです。
「味わえます」
「そうした味になったわね」
「そうですか、薔薇の棘は刺さないのですね」
「自分達からはね」
「私達はそうだと思い込んでいましたが」
「実は違うのよ」
それがというのです。
「何処かで間違えたお話だと思うけれど」
「そうでしたか」
「だからね」
さらに言うアンでした。
「これからはね」
「はい、先程の通りにですね」
「薔薇のお花
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