第三章
[8]前話
「御前は強い、獣も狩れるし戦でも強そうだ」
「だからなのね」
「御前にはいて欲しい、弟さんも強いな」
「ええ、私がずっと護ってきたけれど」
それでもとだ、カレラは弟のことも話した。
「あの子も戦えるわ」
「そうだな、戦士が欲しい」
「それでなの」
「御前達さえよかったら」
それでというのだ。
「来てくれ」
「考えさせて。ただ」
ここでだ、カレラはこうも思って言った。
「もうここには追手も来ないし安住出来そうね」
「だからか」
「ええ、ここで住むことも」
それもというのだ。
「悪くないわね、じゃあ」
「ここで暮らすか」
「弟と相談させてもらうわ」
カレラは宴の中で弟と話した、弟もそれならと頷いた。
そうしてだ、二人でだった。
この村で過ごすことにした、それを男に伝えてだった。
カレラは弟と共に村で暮らすことにした、ジャングルの中まで追手が来ることはなかった。そもそも二人の所在すら掴んでいるかどうかだった。
それでだ、カレラは村の中で弟に言った。
「もうここでね」
「ずっとだね」
「ええ、あの国の誰にも知られずに」
「そうしてだね」
「生きていきましょう」
こう言うのだった。
「そうしていきましょう」
「そうだね、それがいいよね」
弟も姉に答えた。
「逃げていくだけより」
「そうね、ここは誰にも知られていないから」
「いてもね」
「いいわ。じゃあ」
「これからはね」
「ここで二人で暮らしましょう」
こう話してだった、二人は完全に決意した。
そのうえでこの村で二人でずっと暮らしていった、未開だが他の誰にも知られていない村は二人の安住の地となった。ようやく辿り着いたそうした場所だった。
逃げ切った先 完
2018・10・23
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