第二章
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「その格好だとこの辺りの人達かしら」
「このジャングルの中の?」
「ええ、昔から住んでいる人達かしら」
これがカレラの言葉だった。
「そうかしら」
「そうした人達もいるんだね」
「昔本で読んだわ」
家にいた時に読んだ本で書いてあったことだ。
「そうした人達もいるって」
「そうだったんだ」
「そうした人達とは揉めたくないわね」
カレラは心から思った、それで出来るだけ会いたくないと思った。弟と二人だけで静かに暮らしたかった。
だが数日後カレラもその黒い肌で半裸の槍を持った男に会った、それもばったりと。すると男は身構えた彼女に言ってきた。
「御前、一人か」
「いえ、弟と一緒よ」
彼等は男に身構えたままで答えた。
「それがどうかしたのかしら」
「行くところはあるか」
男はカレラの言葉を聞いてさらに聞いてきた。
「どうだ」
「二人で暮らしているだけよ」
「そうか、二人で暮らすよりも」
それよりもと言う男だった。
「俺の村に来るか」
「あんたの?」
「そうだ、来るか」
「村に来て何かするつもりかしら」
「それなら今やっつけている」
そうしているとだ、男はカレラにこうも言った。
「俺も槍がある」
「その槍で戦うっていうのね」
「俺はどんな獣も傷一つなく倒してきたし他の村の戦でも何人も倒してきた」
「強いっていうのね」
「だからそうした」
実際にナイフを持って身構えているカレラにも臆していない。
「最初から何かするつもりなら」
「そうなの」
「うちの村の者は嘘を言わない」
絶対にという言葉だった。
「村の掟で」
「それでなの」
「そして困ってる奴が近くに来たら迎え入れる」
「それも掟なのね」
「そうだ、だから来るか」
カレラにあらためて誘いをかけてきた。
「そうするか」
「それじゃあ」
その言葉に頷いてだ、そしてだった。
カレラは男を自分達の洞窟に案内して弟と共に彼から詳しい話を聞いた、そのうえでまずは村にお邪魔することにした。
村はジャングルの奥二人が住んでいる洞窟から少しいた場所にあった、数百人程度の村でカレラの国から見ると未開と言っていい状況で粗末な家と暮らしだった。
だが村人達は彼等を親切に迎えてくれてだった、宴を開いてくれてカレラも久し振りに満足のいく食事が出来た。
その宴の時にだ、カレラに会ったその男が彼女に聞いてきた。
「これからどうする」
「村に来るかどうかよね」
「そうだ、御前と弟さんがよかったら」
それでというのだ。
「俺達はいい」
「村人を増やしたいのかしら」
「多いに越したことはない」
これが男の返事だった。
「御前は強いみたいだしな」
「それがわかるの」
「構えでわかった」
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