暁 〜小説投稿サイト〜
ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第10話 意外なもの
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食事が終わった後はそれぞれ後片付けを行い、沸かしたお風呂に順番に入ると、この日やるべきことすべてが完了した。
途中でフローラが風呂に入っているタイミングでそのことを忘れていたエースが隣接する洗面所に行こうとしてミストにからかわれる、というハプニング未遂の出来事はありながらも、ハプニングそのものは1つもなかった。
そしてその後は全員が静かながらも楽しい夜をリビングで過ごし、やがて寝る時間が近づいたと言うことで解散。初日の夜は、そのまま終わりへと近づいていた。
そんなこの家の中で動きがあったのは、解散してから十数分後であった。
明かりを小さなランプと月光に頼ったリビングに1人でいるフローラが、リビングから伸びる2本の廊下を進み、ある部屋の前に来る。
その部屋の前で少しの間逡巡した後に、意を決して戸を2度軽く叩いた。中から返ってきた「どうぞ」という返答を聴いてから、フローラはドアを開けた。
「失礼します」
「あれ、スプリンコートさん。どうしたのさ」
ドアの向こう側には、読書中だったのか本を片手に持ったまま椅子に座っているミストの姿があった。その本を置いて身体をこちらに向けると、再び込み上げて来た恥ずかしさで何も言えないフローラに対して問いかけを投げてきた。
「もしかして、トイレの位置が分からないとか?」
「ううん、違う」
「じゃあ何かデザートが食べたくなったとか?」
「そうじゃなくて……」
「なら、外出したい……ってそれはないか。もうパジャマだもんね。だったら……」
「えーと……スプラヴィーンくん。夜、一緒に寝てくれないかな……?」
「……えっ?」
ミストが予想した答えに対してフローラが外れであることを言うという流れが則っ、それにたままのやり取りを続けたため、半自動化していたやり取り。
それを断ち切るように正解を告げ、その内容を思わず聞き返すミストに対し、フローラは顔をやや赤らめながら補足説明をしていた。
「夜、私が寝るまででいいから、一緒にいてほしいの」
「もしかして、スプリンコートさんは夜1人で寝られないの……?」
始めて明かした事実に対してさらに飛ぶミストの疑うような口調での問いかけに対して、フローラは恥ずかしながらも首を縦に振った。夕方にエースから聞いたことがすべてエースたちの秘密ならば、これはフローラがずっと隠してきた秘密。
といっても、その重要度や秘密にしておく度合いには天と地よりも広い差があるが。
「まさかスプリンコートさんにそんな弱点があったとはね」
「だって、お化け怖いし、一人になるの避けたいし……」
「付け加えると、意外とお子さまなんだね」
「そ、そこまで言わなく
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