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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第10話 意外なもの
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ても……」
「ごめんごめん。まぁ一緒に寝てあげたいのはやまやまなんだけど、それに関しては隣の部屋にもっと適任な人がいるからそっちに頼みなよ。まだもう少しだけ部屋にいないけど、帰ってきたらそっちに頼んでみたら」
「隣……?」
明かりを月光に頼っているためか部屋がやや暗くなっており、ミストの表情の微細な変化はドア付近にいるフローラには分からない。ミストの言っていることの意味も、この家に来てまだ数時間しか経っていない彼女にはこれまた分からない。
「隣はエースの部屋だよ。僕と寝るよりもそっちの方がいいんじゃない?」
故に、その中身を聞いた途端に、熱があるのではないかと錯覚させてしまいそうなほどにフローラは顔を紅に染めた。反論しなくてはまた何か言われると頭では分かっていても何故か思考が働かず、それ以上何かを言うことが出来なかった。
「とりあえず隣に頼んでみなよ。それでダメなら、しょうがないけどね」
「う、うん……」
断ってくれないかな、と思ってしまう自分と、断らないで欲しいな、と思ってしまう自分。どちらもよく眠るためではあるが正反対の考え方を同時にしてしまうあたり、相当意識していることが自分でも分かる。
「じゃあ、そういうことで。バイバイ」
「えっ……?」
色々と考えすぎているうちに、ミストの意地悪な笑みが扉の向こう側に消えていく。ワンテンポ遅れて気づき阻止しようとするが、時すでに遅し、だ。閉められた扉は内側から鍵がかけられたため、フローラにはどうすることも出来ない。
「スプラヴィーンくん……」
もう頼れるものがなくなったため、腹をくくるしかない。
しかし、この頼みはあまりにもハードルが高すぎる。意中の相手に一人じゃ寝られないから一緒に寝てくれ、などという頼み事をするのは、フローラにとってはこの世のあらゆる試練の方が易しく感じるレベルだ。
だがこのままでは埒が明かないことも分かっている。2つの考えで板挟みになり、ミストの部屋の前で込み上げてくる恥ずかしさを振り払うようにしていると……
「何してんの?」
横から突然声をかけられた。
振り向いた先には、半袖にズボンと軽装を身に纏うエースの姿があった。
「え、あ……」
あまりも突然すぎる出現に、言葉が思うように出てこないフローラ。その姿に首を傾げ訝しむエースの姿が焦りを生み出し、フローラのしどろもどろさを強めていく。
「どした? 顔赤いけど……ちょっとごめんよ」
すると、余計に誤解を生む結果となる。自分とフローラの額に手を当てて熱を確認する動作の間、より接近した顔と顔の距離に、フローラは恥ずかしさが爆発寸前で踏みとどまっていた。
「熱はないな……。いやでも風邪の可能性
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