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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
68話:誕生日
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スを、ジークはお茶のセットを持って、サロンに戻ってきた。

「姉上、こちらの箱は、リューデリッツ伯からの預かりものです。伯はご友人のお子様方へのプレゼントはシルバーカトラリーに統一されているのですが、女性に贈り物をすると何かと誤解されるとのことで、お預かりしていました。お帰りの際にお持ちになられても良いですし、こちらでお預かりしておいても大丈夫です。20歳になった時に一式が揃うように贈られるとのことでした」

「ラインハルト様も私も、10歳までの分を頂きました。私には過ぎたものとご辞退したのですが、『私の被後見人の友人は十分贈り物をするに値する存在だ』とおっしゃられて、有り難く頂戴しました」

「まあ、私からも改めてお礼を述べなければいけないわね。ヴェストパーレ男爵家のマグダレーナ嬢から伺った話だけど、20歳になって独立する際に、晩餐で使用できるシルバーカトラリーがあれば、もてなしの際に困ることは無いし、万が一の時は売れるという事でそうされたらしいわ。今では『リューデリッツ伯の銀の匙』と呼ばれて、贈られたがる貴族家も多いとか。大事にしなければいけませんよ?」

親しくなったマグダレーナ嬢とヒルデガルド嬢も贈られていたはずだ。私も贈られたいと思っていたが、お願いできる立場でもなかった......。『あの方』に選ばれたお二人と、同等になれた気がして変な嬉しさを感じた。弟が用意した食器に、少し大きめに切ったケーキを2つ、普通のサイズをひとつとりわけ、大き目な方を、弟たちの手元に置く。隣ではジークがお茶を入れてくれていたが、手つきが『あの方』そっくりで驚いた。
そう、ジークにならなぜお茶が美味しくなるのか聞いても大丈夫なはずね。お茶とケーキを楽しみながら、家族の温かさを感じるひと時を過ごした。今回は私の誕生日を理由にした宿下がりだが、最低でも母の月命日には宿下がりを許されている。その手配も『あの方』がして下さった。わたしもお約束通り、弟が軍の重鎮になった際に、恥ずかしくない様に教養を身につけねば......。
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