機動戦士ガンダム
2205話
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そう告げると、セイラは少し考えた後で口を開く。
「そうね、アクセルが今まで行った事のある世界の事を教えてちょうだい」
「行った事がある世界って言われてもな。俺の記憶を体験したのなら、その辺は大体理解出来ているんじゃないか?」
「あの一瞬だったもの。……ああ、そう言えばあの経験はあの時だけよね」
「……言われてみれば」
俺が最初にセイラと触れあってから、当然のように相応の時間が経っている。
それだけの機会があれば、俺とセイラが肉体的に接触――いやらしい意味ではなく、手と手が触れたといった感じ――は何度か起こっているが、最初の時のようなどことも知らない空間に精神だけが飛ぶ……といった真似は、する事がなかった。
「初めて接触した時だけしかあの空間にいけないのか、もしくは他に何らかの理由があるのか。その辺りの理由は俺にも分からないけど……ちょっと試してみるか?」
そう言い、俺はテーブルに向かって座っているセイラに手を伸ばす。
セイラは俺の言葉と態度に少しだけ戸惑った様子を見せつつも、こちらに手を伸ばしてくる。
俺とセイラの手が重ね合わされ……だが、結局特に何か特殊な空間に精神が飛ばされるといった事はなかった。
「何も起きないな」
「……そうね。じゃあ、やっぱり最初だけだったのかしら?」
「その可能性も高い、か?」
なら、アムロと接触しても、今度は特に何かがあるという事はない、筈。
とはいえ、アムロに関してはもうこっちからちょっかいを出す気はない。
ルルーの妹のメリルから話を聞いた限りでは、アムロは俺と接触した事で特にトラウマを負った様子はないらしいし。
そんな中で、あの空間に移動出来るかどうか……いや、結局あの時はアムロと一緒にあの空間に移動した訳ではない以上、セイラとの仮説が正しい場合は、アムロと握手をしたりすれば、あの空間に飛ばされる事になるのか。
ともあれ、ルナ・ジオンの件やら何やらで、俺も何だかんだと忙しい。
……まぁ、恋人達とデートをするだけの余裕はあったりするのだが。
ともあれ、このUC世界においては重要人物……それこそ、恐らく主人公だろうアムロに対して、今の俺が下手に接触したりすれば、色々と不味い事になるのは確実だった。
特にアムロは俺に対してトラウマ染みた気持ちを抱いているらしいし。
「まぁ、結局のところ、ニュータイプ能力というのが具体的にどのような能力なのかというのも、まだ決まっている訳ではないしな」
「そうね。私がこのニュータイプ能力を覚醒させたのは、アクセルのおかげだけど……だからといって、誰もがこの能力に覚醒出来る訳じゃないでしょうし」
そう言いながら、セイラは俺の方に視線を向けてくるが、実際その通りでもある。
現時点では、恐らく
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