機動戦士ガンダム
2205話
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使として寄越すように要請した方がいいんじゃないか?」
以前までも何度か同じようなアドバイスをした事はあったが、残念ながら今回もセイラは俺の言葉に首を横に振る。
何だか、セイラの方も意固地になってないか?
折角自分がここまでやったんだから、シャアと会う時は自分から呼びかけるのではなく、絶対にシャアから出てくるべきだと、そんな風に思っているようにすら見える。
……とはいえ、そんなセイラの気持ちも理解出来ない訳ではない。
実際に俺と出会ってからのセイラは、ちょっと信じられないくらいに頑張っている。
そうである以上、現状でもシャアが自分に接触してきてくれないことが、面白くないのだろう。
兄妹喧嘩……と呼ぶにはちょっと規模がでかいが。
「あー……まぁ、セイラがそれでいいのなら、俺はこれ以上何も言う事はないけどな」
紅茶を飲みながら、話題を別の方に持っていった方がいいと考える。
このままでは、折角のお茶会がセイラにとっても面白くないものになりかねないのだから。
「そう言えば、ちょっと前に起こったジオン軍がどこだったかの村の住民を虐殺したって奴。あれってどうなったか分かるか?」
「え? ええ」
先程のセイラに負けない程の唐突な話題転換に若干戸惑った様子のセイラだったが、その表情は憂鬱なものになる。
セイラにしてみれば、村の住人を虐殺するような事をするというのは、意味が分からなかったのだろう。
セイラは医者を目指していただけあって、そういうのが許せない性格をしてるしな。
「ジオン軍の方では、これは連邦軍の自作自演……もしくはジオン軍とは全く関係のないゲリラが村を襲ったのを、ジオン軍の仕業として見せ掛けている……と、そう発表してるわね」
「……まぁ、素直に認める事が出来ないのは、当然か」
何の罪もない村人を虐殺したというのは、ジオン軍にとってイメージが悪すぎる。
もし本当にあの虐殺をジオン軍がやったのだとしても、ジオン軍がそれを認めるというのは有り得なかった。
そうなれば、当然のように連邦軍とジオン軍の間で言い争いになり……結果として、有耶無耶になる可能性が高い。
もし本当にその辺りをはっきりさせたいのであれば、それこそルナ・ジオンやシャドウミラーという第三者に調べて貰うといった真似をする事も出来るのだが……少なくても、今のところはそんな風に要請されてはいない。
「そうね。……けど、正直面白くないと思ってしまうわ」
「その辺はセイラの性格を考えれば、おかしくないだろうな。……うん、また話題を変えるか」
「それを私の前で言うの? ……全く、アクセルは女心を分かっていないわね」
「そう言われてもな。正直なところ、これが俺だし。そうだな。何について話題がいい?」
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