機動戦士ガンダム
2205話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「へぇ、ジオン軍が本格的に行動に出たのか。……資源的な問題で無理をしてると思うけど」
「そうね」
俺の言葉に、セイラは紅茶を飲みながら短く呟く。
現在俺がいるのは、クレイドルにある政庁の中でも、セイラの私室だ。
とはいえ、当然ながら寝室という訳ではなく……言ってみれば、客と一緒に紅茶を飲んだりしてすごす部屋、という表現が正しいか。
ルナ・ジオンのトップたるセイラは、色々と仕事がある。
だが、それでも休憩時間を作り出す事は難しくなく……丁度その時間に俺が政庁に顔を出した事もあって、お茶に誘われた訳だ。
アンリには会わなかったけど、もし会っていれば色々と不満を口にされた気がする。
そんな感じで、俺は現在セイラと一緒にクッキーやサンドイッチといった軽食を食べながら世間話をしていた。
その中でセイラの口から出たのが、『トライデント作戦』『ジャベリン作戦』という2つの作戦名だった。
それはジオン軍がちょうど今日発動した作戦で、具体的に言えば中東にいる連邦軍の撃破と、現在は分断された形となっている旧ロシアとアフリカを繋げるのが目的の作戦らしい。
トライデント作戦が海から進軍する作戦で、ジオン軍が有する潜水艦や水中用MSとかが主戦力となる。
ジャベリン作戦が地上から進軍する作戦で、地上用MSや一般兵器を主力として使われる作戦だ。
「上手くいくと思うか?」
「どうかしら。ちょうどさっき入ってきたばかりの情報だから何とも言えないけど、ジオン軍にしてみれば、かなりの労力を使ってこの作戦を進めていた筈よ。絶対に成功させるつもりでいるとは思うわ」
この辺でも、俺がグラナダを攻略した時に破壊されたMSや軍艦、それ以外の兵器が影響している。
元々資源不足のジオン軍だけに、このような大規模な作戦を発動させた以上、間違いなく成功させる気でいるだろう。
とはいえ、成功させたいからといって必ずしも成功する筈もなく……その辺りの事情を考えると、結構無理があるような気がしないでもない。
連邦軍だって、わざわざ自分達がやられたいとは思わないだろうし。
いや、寧ろこれを好機として、ジオン軍を纏めて撃破するなんて事を考えている可能性もある。
「で? ルナ・ジオンとしてはどうするんだ? どっちかに協力するのか?」
連邦軍にしろジオン軍にしろ、ルナ・ジオンの協力は心の底から欲している筈だ。
連邦軍にしてみれば、まだMS開発が終わっていない――と思われる――以上、戦力として使える兵器の大半は戦車や戦闘機といった物になる。
鹵獲や寝返り、もしくは奪取、横流し品……色々な手段で入手したザクもあるだろうが、自軍の戦力として使えるMSの数はどうしても少なくなる。
そうである以上、戦力に組み込むのは色々と難しいだ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ