285部分:第十九話 ヴェーヌス賛歌その十二
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さにだ。それだというのだ。
「その方を見つけられたのだ」
「それではです」
「それでは。さらにだな」
「今度はジークフリートです」
次に出たのはだ。彼だった。
「ジークフリートがブリュンヒルテをと」
「またヘルデンテノールだな」
「はい、見出したとなっています」
「そのことをザックスに知らしてくれたか」
「そうなります」
「わかった」
ワーグナーはここまで聞いて微笑んだのだった。
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