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緑の楽園
第五章
第48話 無限の世界
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にせよ、リスク管理は重要だ。今回の場合はどうであるか?」
「ええと、そりゃ説得する前に自害されてしまうことですかね。全部パーになります」
「うむ、わかっているようだな。ではそれを防ぐにはどうすればよいか」

「うーん、それがわからないのがキツイところなんですよね。なんかもう、猿ぐつわを外した途端に舌を噛まれて自害されそうで。怖いです」
「なぜ彼らは自害しようとするのだ?」
「ええと……拷問されて、地下都市の秘密について喋らされてしまうことを防ぐため、かな?」

 タケルに視線を送ってしまう。タケルは俺と目が合うと、無言でコクリと頷いた。

「おそらく、そのとおりである。自害するのは相手にとって『自害に意味がある』からだ。洗脳されているゆえに、それが地下都市のためになるのであれば、喜んで自害するであろう。
 だが今回のケースについてはどうだ? 彼らにとって、自害は地下都市のために意味があるのだろうか?」

「あー……。ないですね。こちらはもう地下都市の位置も把握していますし、他の情報を入手するにしても、タケルがすでにいるので。彼らは自害したところで何も防げません」
「そうだな。だが彼らはその事実を知らぬだろう。そうなればどうする?」

「すでにこちらが地下都市について詳しく把握している、ということを伝えればいいんですかね?」
「そうであるな。それを伝えれば、自害したところで地下都市の安全が保たれるとは考えないだろう。では自己紹介の次にやることも決まったな」
「はい」

 ヤマモトは再度頷き、「では次に行こう――」と進めた。

「自害が防げたとしても、黙秘されては意味がないな? 次は、どうすれば交渉のパイプ役を引き受けてもらえるか、それを考えなければならぬ」
「そうですね」
「二人の洗脳を解くのは容易ではない。しかし逆に、洗脳されているということは愛国心の塊ということだと考えればどうかな」

「パイプ役を引き受けることが地下都市のためだ、と考えてもらえるように説明すればいいわけですかね」
「うむ。そうだとすればどうする?」
「んー……。こちらは大軍で地下都市を攻め落とそうと考えているけど、その前に交渉がしたい。そう伝えればよさそうですか」

「そうだな。そうすれば、捕縛した二人が自らパイプ役になることを考えてもらえる可能性も出てくる。流れ次第ではあるが、場合によってはもっと地下都市の危機を煽ってもよいかもしれぬ。
 要は、二人が動かぬほうが地下都市にとってリスクであると認識させることができればよいのだ」
「なるほど」

「よし、次は――」



 ――へえ。なるほどね。
 話しながら急速に視界が開けていき、気分も楽になってくるように感じた。

 こういうときは漠然と悩むのではなく、
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