暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第七十五話 霧の都その十一
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「それでなのよ」
「あんたも違約金払ってから」
「それから出るわ。お金は充分以上にあるから」
 それでとだ、久志にこのことも話した。それも笑って。
「心配は無用よ」
「そんなに儲けたのかよ」
「闘技場で勝っていってね。飲んで本も買ってきたけれど」
「それでもかよ」
「お金はもう一生遊んで暮らしても大きな土地買える位あるわよ」
 それだけのものがというのだ。
「闘技場は実入りがいいから」
「だからか」
「そう、お金はあるから」
「それを支払ってからか」
「あんた達と合流させてもらうわね」
「わかったぜ、ただな」
 ここで久志は魔術師に話した。
「ぢょっと待ってくれるか」
「どうしたのよ」
「俺も実は一戦交えることになってるんだよな」
「この闘技場でか」
「そう、それでな」
「その一戦の間なの」
「少し待ってくれるか?」
「いいわよ、というか手続きの間にその一戦終わるわね」
 魔術師は久志にあっさりとした口調でこう指摘した。
「そうよね」
「そうあっさりといくと思うか?」
「あんたの強さはわかるわ、オーラでね」
 彼の身体から放たれているそれを見てというのだ。
「相当に強く燃え盛っているから。それに腰の剣は」
「わかるか」
「レーヴァティン。世界を焼き尽くし救う剣ね」
「ああ、世界を焼き尽くすことも出来れば」
 まさにとだ、久志は魔術師に応えて話した。
「救うことも出来るってな」
「実際にそう言われてるわね」
「ああ、それでこの剣もあるからか」
「その剣を持っているあんたなら」
 それならというのだ。
「この闘技場のどうした相手にも勝てるわ」
「そうか、それで俺が勝つその間にか」
「私の手続きも終わるわ」
 闘技場を出るそれもというのだ。
「すぐにね」
「そうか、じゃあ行って来るな」
「私が手続きをしている間に」
「それで勝って来るな」
「ええ、じゃあね。後言い忘れていたことがあったわね」
 ここでも魔術師の方から久志達に言ってきた。
「私のことをね」
「ああ、あんたの名前教えてくれるか」
「如月双葉。八条大学文学部英文学科よ」
「やっぱり俺達と同じ大学か」
「そうよね、それでね」
「こっちの世界じゃ魔術師か」
「実はファンタジーの本が好きなのよ」
 双葉は久志にくすりとした笑みで話した。
「古今のね」
「それで魔術師か」
「指輪物語も魔法の国シリーズも好きでアーサー王や妖精のお話もね」
 まさに古今のファンタジーと言っていい話がというのだ。
「全部好きなせいでしょうね」
「成程な」
「今はハリー=ポッターも読んでいるわ」
 こちらの作品もというのだ。
「楽しくね」
「本格的に好きみたいだな」
「勿論イギリスのもの以外も読んでい
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ