暁 〜小説投稿サイト〜
ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第9話 唐突過ぎた始まり
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朝最初に聞く内容としてはとんでもない依頼を受けたせいか集中力を持続させることが中途半端にしか出来ず、授業中に何度か魔法をファンブルさせたエース。とりあえず朝一番の授業の担当教師に休んだ理由を伝える、という最低限のことは果たしておき、残る授業に関してはファンブルしたこと以外は何もなく終えることが出来ていた。
そして放課となった今の時間は、ミストが学校から直接買い出しに行っているために1人で帰り道を歩いていた。最短ルートを通れば早いものを、いつものように安全第一ということで遠回りする。
夕陽はまだ落ち始めということもあり外はまだ明るいので、1人鼻歌まじりに帰路を進む。これを夜にやってしまうとあまりにも響いて迷惑だ、と言われることは容易に想像できるので、もちろん日中から夕方にかけての明るめの時間しかしない。
やがて、夕陽の差しやすい疎らな木立からやや茂った森になっていき、その先へと続いていく小道を抜けた先には、オレンジ色の背景でより映える黒屋――我が家であるフォンバレン家が見えてくる。
だが、いつもなら黒塗りに近い外観の我が家とその奥に広がる森だけが見える場所に、エースは違和感を感じていた。目をこすってもう一度同じように見るが、その違和感は気のせいではなかった。
まず、家の前にソレーラがいる。何故外にいるのか、という理由は聞きたくなるが、それだけの問題でしかない。いたとしても存在そのものはおかしくなく、普通にあり得る光景だ。
エースが感じた違和感の発生源は、その横にいる女子生徒だった。緩くウェーブのかかったクリーム色の髪と共にピンク色のリボンが髪の隙間から風にたなびくその感じは、フローラ・スプリンコートでほぼ間違いないだろう。
訝しく思ったエースだったが、流石にずっと見ているのも変なので止めた足を再び動かして自宅に近づいていくと、ある程度距離が縮まったところでその存在に気づいたソレーラが挨拶を投げかけてきた。
「お帰りなさい、エース」
「ただいまって言いたいとこだけど……事情を説明して、先生」
目の前の光景から入ってくる情報に対して、エースは困惑しか返せない。それ故に、ソレーラに投げた言葉がそれだった。
その言葉は突き詰めていけば『何故、フローラが自分の家の前にいるのか』という疑問にたどり着く。その答えとして思い当たる節がないのではなく、その節の内容が今ここで起こることがエースとしては有り得ないと考えたのだ。
だからこそ聞いたのだが……
「多分朝校長に聞いた通りよ」
まさかの思い当たる節が正解だった、ということを示すソレーラの回答。
確かにエースは、ミストやパードレと共にスプリンコート家に出向き、フローラを我が家で保護する、と
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