暁 〜小説投稿サイト〜
ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第9話 唐突過ぎた始まり
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わせたことへのものだった。

「じゃあ、とりあえず校長やソレーラ先生との関係の詳しいとこから話そうか。知ってることもあるだろうけど、それは一部だしな」

「お願いします」

 フローラが言葉と共に頭を下げると、エースは軽くうなずいて自分たちの今のことを話し始めた。

「前に言ったから半分くらいは知ってると思うけど、俺とミストは今、周りに言っている限りでは校長の義理の息子ということになってる。ソレーラ先生とは義理の姉弟ってことだな。一応、戸籍上でも姉弟として登録されてるはず」

「そうなんだ……。ソレーラ先生は、先生でお姉ちゃんでもあるんだね」

「まぁ、年は10歳くらい離れてるけどな。で、今俺やミストはここにずっと住ませてもらってるけど、その対価が前に言った校長からの雑用。拒否出来ないからめっちゃこき使われて大変」

 今までに引き受けさせられた依頼の数々を思い出して、苦笑いをするエース。

 誰も引き受け手がない力仕事に荒い息をたてながらやったり、2日間遠い町で朝から晩まで売子をやらされたりと、強引にやらされた依頼の数々は、今はただのいい思い出ではある。

「校長と俺たちの関係に関しては以上だ。次は……なんでうちに来たのか、とか?」

「それはお父さんから聞いたから知ってるよ。あの日、私が学校で襲われたことをお父さんやお母さんに言ったんだけど、その後で校長先生に相談したらフォンバレンくんたちの家ならどうか、ってなったって聞いた。確かに私はいいよ、って言ったけど、いきなり行けってなったからすごく焦った」

「俺も今朝そのことを聞いて、早くても明日かなと思ってたとこにこれだからなぁ。あ、だからご飯も特に何か出来ないかも。ミスト買い出し行ってるけどまだ知らないし」

「それは全然いいよ。私には、文句を言う権利なんてないから」

 フローラのその言葉の直後、2人の耳に床を踏みしめる足音が聞こえてくた。それはすなわち、2人以外の誰かがこの家に来た、ということを示す。

 しかしその後に響いた『ただいま』の一言で、エースは一瞬作っていた警戒態勢を解いた。フローラも安心したのか胸をなでおろしている。

 やがて、買い出し帰りであることを示す両手の買い物と共に来るミストの姿が扉越しに見えた。エースがその扉を開けると同時に自然体で言葉を口にする一方で、ミストは目に入った光景に対し入り口のところで何か言いたげな様子で立っていたままだった。

「あ、お帰り」

「うん、ただいま。で、なんでスプリンコートさんが今ここにいるの?」

「依頼はすでに始まっている、ということらしい。俺もビビった」

 ミストの疑問にエースがやや遠回しな表現を用いて答える。ミストはその言い方でも合点が言ったようで、小さく頷いた後
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