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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第9話 唐突過ぎた始まり
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いう依頼を引き受けてきた。

 だが、それは今日の朝の話である。現実的に考えて、その日の夕方に来る、などということを予測できるはずがない。出来る人が世の中にいたとしても、少なくともエースには出来ない次元の話である。

「心の準備ってのを知らないのかあの人は……」

 予測不能な展開の到来に、エースはしかめっ面になりながら、パードレへの文句を吐き出すしかなかった。不機嫌にも見える表情は、場の雰囲気を悪くするのには非常に適している。

「あの……迷惑だった、かな……。ごめんなさい。私が一人で戦えないばっかりに……」

「あーっと……そういうことじゃない。俺の心の準備が出来てなかっただけ。スプリンコートさんは一切悪くないから、大丈夫だから」

「本当に?」

「ホントだよ」

 エースのしかめっ面の理由を勘違いしたフローラが自分を責めるように謝り始めたのを聞いて、慌てたエースは謝罪と誤解を解く言葉を同時に言った。ここでフローラを泣かせるようなことがあれば後でネタにされてミストにいじられるのだろう、という考えも少しだけあったが、それよりもフローラに変な気苦労をかけたくないという考えの方が大きかった。

「じゃあ、後はよろしくお願いします。フォンバレンくん」

「こういう時だけ担任ぽくしないでください先生。ほぼ押しつけじゃないですか」

「文句は校長にお願いしますね」

 エースの言い分を半ば無視する形で言葉を並べた後、ソレーラは笑顔で小さく手を振り、こちらに背中を向けて遠ざかっていく。その後ろ姿を見ながら、エースは頭を悩ませるしかなかった。

「どうしてそういうとこ似てんのかな……」

 パードレとソレーラは、外見上はあまり似ていない。ソレーラ曰く自分は亡くなった母親似だそうだが、性格に関しては絶対に父親似だな、と思わされるところがあった。差し支えない程度にだが説明を省いたり、強引に任せてしまうところは非常に似ている。パードレに振り回される身としては、もちろんいい思いはしない。

「まぁ引き受けたことだし、頑張るか」

 とはいえ依頼は依頼なので遂行する以外の選択肢はない。

 自己暗示をかけるようにして、悩んだところでどうにもならないものを押し込んでおいてから、エースはフローラの方を再び向いた。

「さて、こうなったからには色々と話さなきゃならないこともあるからな。それをこれから話していこうかな、と思ってるわけだけど……外だと何が起こるか分からないから、まずは中に入ろう」

「うん、分かった」

 エースの言葉をきっかけに、2人は家の中に入る。玄関口で靴を脱ぎ、そこから直進、突き当りを直角に右に曲がると、この家のダイニングにたどり着く。

「とりあえず、そこの椅子に座りなよ」


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