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SAO─戦士達の物語
MR編
百五十六話 いつか貴女も
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オオオオォォォォォォォォォォォ!!!!!!」
「ピャアアアアアアァァァァァァァ!!!?」
未だかつて、アスナがこんな悲鳴を上げた事があっただろうか、とんでもない声を上げて硬直した彼女は、何故か冷静な頭の片隅で今の悲鳴を他の誰かに聞かれなくて良かったと場違いな事を考えていた。

「────!!」
「!」
威嚇の声が収まるか収まらないかと言うタイミングで、目の前に現れたアストラル……[Pphantom of Grave keeper]と名付けられたそれが、片手に持った火掻き棒のような物を振り上げる。驚きと衝撃の所為で致命的にタイミングが遅れたアスナは回避を試みたが……避けきれなかった。

「あっ!!?」
衝撃で後退し、壁に肩を強かに打ち付ける羽目になったが、おかげで意識が驚きから戦闘へと切り替わった。
一度短く息を吐いて、レイピアを構え直す。瞳の高さまで持ち上げたレイピアの向こうに、自分を襲った幽霊の全体像をとらえると、早まっていた心臓が落ち着くような気がする。その姿と登場の仕方に少しだけパニックを起こしたのは事実だが、改めて向き合ってみれば敵は一体きり、しかも実体のない完全な霊体と言う訳では無い、やや物理攻撃に対する耐性は高いが、ダメージが通らない訳では無いし、魔法属性を持つソードスキルなら十分にダメージを与えることもできる。切れるのだから、レイピアでもダメージは与えられる、ダメージが入るなら怖くない、全然全く怖くはない。なので、アスナは相手を瞬殺することにした。

「スゥッ」
吐いた息を軽く吸い直す、瞬間、その肢体がガゼルのように後方に向かってしなやかに跳ねた。高く跳ね上がった身体が、美しい放物線を描いて、着地と同時にその勢いを利用して更に三回のバック転を繰り返して止まる。弓矢を引き絞るように肩の位置まで持ち上げられた右手のレイピアが示すその先に、うっすらとて彼女の敵が発する薄青い光が見えたその位置を確認した瞬間に、その姿が掻き消えた。

細剣 最上位長距離突進技 《フラッシング・ぺネトレイター》

銀色の流星が通路を駆け抜けて、彼女の身体が火花をまき散らしながら停止した時、アスナは少し……というより明らかなオーバーキルに自分でやっておいて小さくため息をついたが、同時大変すっきりした気持ちになったのでまぁ良いかと思い直して、少しだけ歩を弾ませる。角を曲がったところで、今度は紫色の人型に出くわすまでは。

「あ!アス「○×△■◎▽!!?!?」!?」
弾かれたように距離を取りながら剣を構え直したアスナに、驚いたようにユウキがギョッとした顔をする、薄暗い明かりに照らされたその顔をはっきりと確認した瞬間に、自分でも驚くほど情けないため息が出た。

「はあぁ〜〜〜〜〜〜……」
「あ、アスナ、どうしたの?大丈夫?」
「……
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