酔っ払い、啖呵を切る
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俺は今目の前のおっさんと対峙している。おっさんの名前はホアン・ルイ。自由惑星同盟議会の有力政党、社会改革党の書記長を務めている男だ。なんでそんな大物政治家がこんなしがない組合幹部の俺と対峙しているのかというと・・・、
今から一時間ほど前、
「初めまして!グレゴリー・カーメネフです!ここの組合の青年部局長を務めさせてもらっています!」
「おお元気な声だねえ・・・私はホアン・ルイ。よろしく頼むよ。」
「ホアン・ルイ?失礼ですが、社会改革党書記長のホアン・ルイ先生でいらっしゃいますか?」
「そのホアン・ルイだが・・・どうしたのかね?」
「なんだって!?旦那!なんでこんなハイネセンの分からず屋がここにきてるんですか!」
「おいグレッグ!なんてこと言うんだ!」
「だってそうでしょ?社会改革党は労働者の味方を謳っておきながら軍備予算の削減を訴えてるんですよ!ハイネセンの奴らは軍備を削減して民間に回せばそれで全てうまくいくと思ってる!でも国境に住んでる我々は逆なんですよ!軍のおかげで食べてるんです!旦那だってそれはわかってるでしょう!」
「グレッグそれは・・・」
「中々興味深いこと言うねえ・・・組合長。ちょっと彼を借りていいかな?」
という感じで俺はホアンのおっさんの目の前で啖呵を切って不満をぶちまけたらそのまま社会改革党の事務所まで連れてこられたのだ。
そして現在へ至る・・・
「さて、カーメネフ君。ここなら大声を出しても大丈夫だ。話の続きが聞きたい。」
話の続きが聞きたい?このおっさんは何を言ってるんだ?まあいい・・・それなら言いたいことは言わせてもらおう。
「私はねホアンさん。以前は軍にいたんですよ。ハイスクール時代に両親が死んで、食べるために入ったんです。仕事は大変でしたが、私のような学のない人間でも暮らしていける給料は貰えました。おかげで路頭に迷わずに済みましたよ。でもあの第4次イゼルローン攻防戦で負傷しましてね・・・脇腹を思いっきりやられました。今でも傷跡が残ってるんですよ。それで怖くなりましてね・・・軍を辞めたんです。それで軍の紹介を受けてこの港で働きだしたんです。幸い私は負傷したといっても働くことに支障はないので必死に働きましたよ。おかげで周りにも認められて今では組合の部門を任せてもらえるまでになりました。今の生活があるのは軍のおかげなんですよ。
ホアンさん。私は戦争が大嫌いです。戦争の怖さ身近で感じたから断言できます。そしてここに住んでる皆同じことを思っています。でもね、戦争が嫌いだと言っても帝国の連中は容赦なく攻めてくるんですよ。そしてそれから私達を守ってくれるのは軍なんです。民力回復と財政再建が必要なのはわかっています。でも私達には艦隊が、そして兵隊さん達がいて
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