追憶 人間否定
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弾の爆発を確認!
なんて事だ……」
「……貴様……自分が何をしたのか分かっているのか!!」
モニター越しの金髪の殺気を人形狂いはさして気にせず、人形狂いは貴族が残した高価なワインをグラスに注ぐ。
その視線はすでに金髪を見ていない。
「『君主は愛されるより恐れられる方がいい』。
士官学校の初歩で習うことを忘れたのかね?
そう言えば、貴殿は幼年学校からすぐに戦場に出たのか。
失敬。失敬」
ワインを口に含み、その味を味わう。
それでも口調に何もブレがない事がかえってその異質性をむき出しにさせた。
「見ての通り、核ミサイルによる惑星浄土化は少艦艇で簡単に行える。
今や、帝国の支配者となった君だ。
このミサイルを防げなかった責任は君の方にある」
「黙れ!」
「黙ってもいいが、そもそもここに居ていいのかね?
私が帝星オーディンを狙わないとなぜ言えるのかな?」
「待ってろ。殺してやる」
モニターから殺意漂う金髪の顔が消え、控えていたアンドロイドが第二次核攻撃の結果を報告する。
「攻撃に成功したのは35惑星および人工惑星。
被害人員は一億を越えるぐらいでしょうか」
「無人核攻撃船団に指令。
そのまま第三次核攻撃に移れ。
目標は帝国中枢部。
帝都オーディンだ」
「了解しました。
要塞前面の敵艦隊が進撃してきておりますが?」
「なりふりかまっていられなくなったな。
無人艦隊に連絡。
作戦通りに」
「はい。
お父様」
要塞正面に艦隊を配備し、さらに左右から伏せていた無人艦隊を突っ込ませる。
ごく普通の戦術で、殺到するミッターマイヤー・ロイエンタールの両艦隊にとっては捌くのは難しくないはずだった。
乗っているのが人間ならば。
「宇宙ってのは慣性の法則に従って加速すれば加速するほど抵抗もなく高速で突っ走れる。
物理ってのは最強の兵器だねぇ」
無人艦隊は星系外縁部からフル加速して両艦隊に突っ込んでゆく。
ビームもミサイルも撃たずに、エネルギーシールドを全開にして一万隻の統率のとれた艦艇が突っ込んでくる意味をこの両提督が気づいて回避するがそれは少し遅かった。
「衝突確認しました。
一万隻中途中破壊されたのは四割。
残り約六千隻が両艦隊に突っ込んで敵艦相手に衝突した計算になります。
両艦隊混乱中」
「要塞主砲発射準備。
目標。
敵艦隊主力」
「了解しました。
主砲目標、敵艦隊主力。
発射!」
かつて第五次イゼルローン要塞戦で敵味方をドン引きさせた主砲発射がまた行われ、ラインハルト艦隊主力とそれと交戦していた無人艦隊を巻き込んで数百隻が宇宙の塵と
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