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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第8話 訪れる変化
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で行ってもゼロにすることは難しいが、ここならば漏れる可能性は限りなく低いと俺は考えた」

「それは分かったんですけど、心の準備というのがあってですね……」

「すまない。この依頼に関しては、漏らさないことが引き受けの絶対条件だったからな」

 ここに来て、謝罪の言葉と行動を見せるパードレ。

 時間としては『もう少し』よりも長かった気はするが、聞けたというのなら問題はない。エースとミストは、とりあえずこれまでのことは水に流しておくことにした。

「それにな、この依頼はお前らにしか頼めないものだった。今はここにいないがフローラ・スプリンコートの母親とテレノさんは、先日の襲撃のこと聞いて、フローラを安全な場所に預けよう。預けるならば、彼女が最も信頼している人にしようと考えた。そこで白羽の矢が立ったのが、お前ら二人……正確には、エースに、だがな」

 だが、その後に告げられた事実に対しては流すことなど出来ず、反応も戸惑いの色を出す程度のことしか出来なかった。確かに付き合いはだいたい4年くらいにはなるが、それだけの理由で自分たちが信頼に値する人物だと思われたことはかなり意外な事実である。

「確かに、4年も付き合いがあるとは言えども、あなたたちが年頃の異性であることは変わりませんし、正直預けることはためらいもありました。うちの娘の自慢をするような形にはなりますが、どこに出しても恥ずかしくない優しい子ですから、断らなくてはいけない場面で強く言い切れずに押し込まれてしまう可能性も捨てきれません」

 話を聞きながら、それは確かにあり得る可能性だとエースとミストは思っていた。優しいかわりに強く物を言えないフローラの性格は、4年もあれば理解している。その性格が普段は良い方向に働いたとしても、限定された状況下で悪い方向に作用してしまえば普段積み重ねたものなど一気に崩れ去る。

 だから、テレノの言うことには一切の反論はしなかった。綺麗事を並べたところで証明が出来なければ可能性の壁に押しつぶされるだけだ、とよく理解しているからである。

「でも、きっと娘にとっては、あなたたちは他の人とは違う存在なんでしょうね。依頼から帰ってきた日にあなたたちのことを時々話していることは前から知っていましたし、あなたたちのところへ預けることを言ったら娘は何も言わずに頷いてくれました。学校の寮が危険だと考えたわけではないのですが、敵が誰でどこに潜んでいるか分からないのなら、異性と同居させてでも守ってもらう方がより安全と考えました。どうか、お願いします」

 図らずしてフローラが自分たちのことを潔白であると証明してくれていた、という事実は、少しだけ2人の心の緊張を溶かした。

 次いで、話が終わるのを待っていたパードレがまずエースを、次にミストを、とい
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